昭和20年代 ビラまき
原っぱで遊んでいると、遠くからセスナの飛んで来る音がする。みんな一斉にそちらを見る。
このころどこの家も平屋で、空はドカ~ンと広かった。ずいぶん遠くから飛んでくるのが確認できた。
誰かが「アッ! ビラまきだ」と叫ぶ。そうなるともうだれも遊びどころでなくなった。風の流れを計算に入れてビラの落ちてくるほうへ走る。とにかく走る。家と家の境目はまだなく、隙間だらけで、どこへでも走り抜けられた。
ときどき固まって落ちてくるのがあると、もう一目散であった。それを手にしたときの嬉しさ。何かとんでもない宝物を見つけたような誇らしい気持ちになった。
今でも紙の固まったものを見ると嬉しくなる。たとえば札束。(なかなか手にできないが)
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