昭和20年代 お祭りの獅子
今盛んに夏祭りが行われている。
私たちの町は春と秋に子供獅子が出される。1軒に5人以上の子供は当たり前でした。そんなのがこぞって出てくるから大変でした。男獅子と女獅子とに分れていても大変な人数であった。大屋敷には門付けをして、お供えをもらってきた。
男獅子は隣の町内や随分遠くの町内へ遠征に出かけ、ケンカをしてくる。勝つと戦利品として獅子の耳を取り上げた。負けた町内はすぐに親が取り返しに来た。おかげで私たちは叱られた。
祭りになると各町内は道路を横断するように、いくつも提灯を上げる。叱られた仕返しに、その町内の祭り提灯をゴムカンをもって破りにいく。遠くから見られないように提灯を狙って破る。運が悪いと燃え上がる。
一度負けて獅子の頭を割られた。慌てて近所のタンス家のオヤジさんに頼んで、ニカワでくっ付けてもらってごまかしたことがある。
あのころのガキ大将が、今孫を連れて獅子にとまり、好々爺のような顔をしている。
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