昭和20年代のおれ達の遊び いとぐるま戦車
いとぐるま戦車って作ったことないですか。
ミシンの頭につけた糸車が、くるくる糸を吐き出している。早く糸がなくなればいいのに、と子供心に思ったものだ。これで戦車を作るのだ。
作り方は難しいことではない。いまでこそ、糸巻きの真に使っているのは、プラスチックですが、昔は木でできていた。
糸車のふちを削って、滑りを少なくしてやる。この真ん中の穴に輪ゴムを通して両端を割り箸で止める。片方は短く、もう一方は長くする。もうこれで戦車は完成だ。
長い箸のほうをくるくる回して、畳の上を走らせると、ゆっくりゆっくりくるくる走る。これがなかなか力持ちで、布団の上でも這い上がっていく。
昔は、こういう家庭で使っているものが何でも遊びの対象になった。缶詰の空き缶、これで「缶けり」をやった。小さな円を描き、その中に缶を入れる。まず鬼をじゃんけんで決める。
鬼以外の人が缶を思い切り蹴っ飛ばす。遠くに飛ばす。それを鬼が拾って円の中に入れる間に、みんな隠れる。鬼が探して「重ちゃん見っけ」と言って缶に足をつける。また「ヨッチャン見っけ」てまた缶を踏む。全員見つければいいが、隙を見て缶を蹴っ飛ばされると、また始めからやり直し。
これを延々と日が暮れるまで続ける。
この缶で、「ぽっくり」といったっけ? 自信がないが。缶を2個用意する。その缶に穴を開ける。この穴に縄を通し、抜けないように缶の中で結び目を作くっておく。これで完成だ。これを足の指にはめて、カッポカッポと歩くと、まるで馬のようであった。
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