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2006年9月29日 (金)

疲労骨折はスポーツ保険では支払われない

友人が来て、疲労骨折と診断されたという。彼はウルトラマラソンランナPhoto_73 ーで、国内でもかなり長い距離を得意としている数少ないランナーである。大会でスポーツ保険をかけている。そこで保険請求をしたところ、この骨折は何度も重ねて起きた骨折で、こういう疲労骨折は、スポーツ保険では免責になっている。

保険の原則は「急激で偶然な外来の事故」により被った傷害及び傷害に起因する後遺障害及び死亡が対象となります。ただし次のものは
  ここにいう傷害には含まれません。
  
  ○急性心不全(心臓マヒ)等の心臓疾患
  ○野球肩、テニス肘、疲労骨折、関節ねずみ、タナ障害、オスゲット病、椎間板ヘルニア、靴ずれ、その他外傷によらないスポーツ特有の障害
  

いま保険金不払いの保険会社が多いので、しつこく請求を重ねたら相当遅れて支払われたという。確かに疲労の積み重ねで骨折もするが、診断書の「疲労骨折」「骨折」の文面一つで保険の支払いに大きく影響する。保険請求の難しさを痛感した。

「祭り保険」というのがある。一宮には桃花祭という馬を使った祭りがある。これは飾り馬のクツワに綱を30本ほど縛り付け、これを男がつかんで激しく練りあう。ここでいつも馬に足を踏まれて指先を骨折する参加者がいる。馬は人を踏みつけることは普段しないが、あまりの激しさに、馬もついつい踏んでしまう。10年間やってきて、5人ほど骨折しいている。

だが保険を一度として使ったことはない。なぜかというと、通院一日2500円である。骨折というのは「日にちが薬」で通院なんて治るまでに3日も行けばいい。通院と同じ扱いにしようとすると、ギブスをすればいいが、それでは仕事にならない。そこでビッコをしながら治してしまう。3×2500円=7500円。診断書を取って、保険請求書を書いたりしなければならない。そんな面倒なことは、もういい、と、誰一人として請求しなかった。

保険の掛け捨てと分かっていても、大きな怪我や、馬の暴走で怪我がでたらと思うと不安で、主催者としては掛けざるを得なかった。

昨今マラソン大会でも「万一の場合は応急処置をするが・・・」という念書を取っていたが、ほとんど意味がないから今は取るところが少なくなった。

最近マラソン参加者が死亡することが起きている。これも急性心不全で保険は下りない。だから大会主催者は、AED(自動体外式除細動器=電気ショック)を導入している。名古屋シティーマラソンでも死亡事故が起きた。偶然に倒れたランナーのすぐ後ろを医者が走っていた。容態を診ると、即死状態だったという。それからこれを導入した。6機100万円掛けたと聞いた。一週間レンタルでも一機31500円ぐらいする。亡くなれば放っておく訳にいかず見舞金も出すことになる。

祭りもマラソンも、大会の舞台裏を見聞きする機会が多くなったので、主催者の苦労がよく分かる。参加者は、金を払えばなんでもしてくれるという甘えはいかん。「走らせてもらっている」「祭りを楽しませてもらっている」という、感謝の気持ちを忘れずに参加して下さい。

裏方より。

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