高級時計とマラソンの一秒の重み
随分前の話だが、私のお客さんがスイス製の高級時計をはめていた。「どうも調子が悪いという」話しを聞いていると、1週間で1秒狂うと言うから、「ヘッ?」と思った。私の時計なんか2~3分狂っていようと気にもならない。こういう高級時計ならではの正確性を求めているんだろうが、この1秒で定期点検に出すというから驚いた。この点検費用は今では1年に2回は分解掃除を勧めている。その費用は約2万円というから驚いた。そうか私が驚かなくても持ち主はなんとも思っていないのだ。なんだァ、そうなんだ。
時計屋に聞くと、高級時計しかも機械式の時計の誤差は、-4/+5秒という。これも1日の誤差である。念のために調べてみると、こんな検査協会があった。ちょっとコピーさせてもらいました。
スイス公認クロノメーター検査協会 ■
Chronometer(クロノメーター)・・・初めて聞く方も多いかもしれません。クロノグラフと言葉は似ていますがクロノメーターは機械式時計最高の精度を公正に認定する為に設けられた認定制度で、この認定を受ける為には一個一個過酷なテストをスイス公認クロノメーター検査協会(C.O.S.C.)で受け見事にパスしたムーブメントだけが初めて名乗る事が出来ます。
スイス公認クロノメーター検査協会(C.O.S.C.)の厳格な検査に合格した公認クロノメーターはきわめて数が少なく、機械式ムーブメントの最高の精度と品質を保証するものとされています。
Chronometer(クロノメーター)はスイス公認クロノメーター検査協会が一個一個のムーブについて、急激な温度変化、機械的なショック、高湿度や強力な磁場への露出など時計を身につけた場合に考えられる過酷な条件の下で進み遅れを最低15日間にもわたり24時間連続してテストし、その全種類の過酷な条件を統合して一日当たりの進み遅れが-4/+6秒以内に入っているものだけに与える機械式時計最高の公式な称号です。あなたの手にする『LINK Calibre 36』も勿論この過酷なテストに見事にパスしています。
スイス公認クロノメーター検査協会(C.O.S.C.)は、19世紀末、時計工業界全体の要望により、ムーブメントの計時精度を検査する中立の機関として創立されました。スイス公認クロノメーター検査協会(C.O.S.C.)の検査基準は、今日、全世界で認められる計時精度の国際基準となっています。
だから1週間に1秒は当然誤差の範囲という。正確さを求めるならデジタル式の2~3000円の時計の方がよほど正確だという。
1日にー4/+5秒ということは、フルマラソン5時間ギリギリで走っている私のとって、非常に問題が多い。これからいうと、5時間で1秒は狂うということは、高級時計を見ながら走っていると、制限時間をオーバーすることになる。自慢じゃないが、いびがわフルマラソン(5時間制限)で、腰痛を起す前の最終の記録が、4時間59分58秒である。もしあの時、私が高級時計をはめて走っていたら、-4秒を確認していたら、あんな無様な最後尾ランナーにならずにすんだ可能性もあったっかも、と悔やむ。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント