90歳の芋摺りを見た
木曽川には渡し舟たった二つしか残っていない。その内の「中野渡し」のすぐ下に住む友人K君の家に久しぶりに立ち寄った。今日は日曜だが、いつもは出勤しているが、今日は車があるので居るかと思った。塀の中を覗くとおじいさんがいたので、息子が居るか確認すると、久しぶりの日曜休みなので、奥さんと遊びに行ったという。
おじいさんに、「なにやっているの?」というと「芋摺りじゃよ」というではないか。おッ?今どき芋摺りだと?門を入る時にゴロゴロ音がしていたのはこの音か。どれどれと覗く。
木の桶に「×状」の木を刺し込み、これで芋をかき回す。ごろごろごろごろと。昔は当たり前にどこでもやっていたが、どうして見なくなったんだろう。機械仕掛けの芋摺り機かなんかで、強烈にタワシが回ってアッという間にできるんだろうか。
「ところでおじいさんは幾つになるの?」
「幾つに見える」
「う~ん、(内心80歳かと思ったが、失礼にならないように)78歳ぐらい?」
「いやいやもっと上じゃ」
「80歳?」
「いやもっと上じゃ」
「へッ?90歳」
驚いた。絶対に80台だ。どこ見たって、90には見えない。なんと肌のつやもいいし、声も通るし、耳もいい。
二日後にK君から電話があり、91だという。驚いた。そして言うことがいいわァ。芋が欲しいといえばよかったのに、と言う。そんな、俺はそこまで無神経ではないぞ。でもしまったな、もう少し無神経な性格に生まれればよかったのに。ヤッパリ田舎を徘徊する時は、小さくてもいいからバックを背負って行こう。
先日親戚の前を通ったら、ナスの出荷前だった。持って行けと言うが、ハンドルがふらつくのと、不審者で職務質問に遭うから止めた。マウンテンバイクにナスや芋をハンドルに掛けると、どこから持ってきたという質問になるからだ。
自慢じゃないが深夜徘徊していても、今まで不審者あつかいには一度もなったことはない。不審者なんてことになったら、我が家系に傷がつく。ヤッパリバックを背負っていくか。畳んでどこかに収納しておくか勘考しなければいかん。
今日も友人の会社に寄ったら、菊を持って行けと言うが、ハンドルの掛けるとふら付くので遠慮した。マウンテンバイクに前籠付けたろかしゃん。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。


コメント