病院の自動支払機がしゃべった

会計からもらった請求書を、自動機に入れると、金銭受け取りの口がパカッと開く。ここに請求金額を入れると、領収書が出てくる。

帰ろうかと思ったら、自動機がしゃべった。「毎度ありがとうございます。またのお出でを楽しみにしております」とはいわなんだが、「お大事にして下さい」と言ったので、腰が痛いのにのけぞった。でも隣の銀行（会計）の窓口に支払うと、黙っていた。機械のほうが律儀であった。

こんなのがもし、警察の罰金自動支払機がしゃべったらどうなるんだろう。「もう二度とやるんで無いよ」と言うか、「毎度ありがとう。一ヵ月後に免許証の受け取りにお出で下さい。またのお越しを楽しみにしております。お気をつけて」と言うんだろうか。

葬儀屋ではどうだろうか。「またのお越しを」と言ったって、二度とこの世にはこれないのに。「お気を落とさずに。尚次回は知人友人の方々にをお誘い合わせの上、またのご利用を」と言ったら怒るだろうな。

税務署の脱税金自動支払機では、「もう二度と致しません。税金は国の力だ。これを１００ホーン以上の大きな声で三度唱えて下さい」とまるでさらし首のような刑罰をさせるというはどうか。

最近金融関係で「ポケットバンク」というのがチョクチョク見かける。一箇所に集団で貸し付けしている。この貸付機がもし喋ったら、「ドンドン借りて、隣の生命保険自販機の契約書を確認してから、貸付金額を確認して下さい。アーメン」出入り口の音声が、入る時「ポクポク」という木魚で、出る時「チ～ン」なら、楽しく借りれるのに。

神社のおみくじ自動機では、「お好みのボタンを押してください。勇気を出したい。希望を無くした。婚期が〆切まじか。当社の自動機は、最近人気の大吉大奮発機です。ご安心して占えなえます。勇気も希望も湧いてきて、婚期逸脱する人は皆無です」

パチンコ屋の自動玉売り機では、「旦那さん、いい顔色してますね。もうひと頑張りして見ませんか。勇気を持ってもう千円」なんて売り込みなんかして。

こんな馬鹿なことを考えながら、ニタニタ笑いながら病院を後にした。そうしたら駐車場のオジさんが、「お大事に」と機械と同じことをいった。