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2006年12月 9日 (土)

カエルに煙草のヤニ

開高健の『生物としての静物』はやたらと煙草の話が出てくる本だ。これを久しぶりに開いた。この本はいつも枕元に置いてある。その割にはあまり開いていなかった。こいつは最初から煙草の話がドンドン出てくる。

私は禁煙してからもう22年になる。この禁煙も、清水から飛び降りるような「よ~し、今日から止めるぞ」という一大決心して止めたのではない。風邪をひいてノドがおかしくなり、煙が痛く感じたからだ。気が付いたら10日15日と禁煙が続いていた。なんだ禁煙てたいしたことないじゃないか、ということで止めたのである。

ちょうどそんなころ、ジョギングを始めて、毎日走るのが楽しくて仕方がないころであった。このランニングも禁煙にいい影響を与えたのかも知れない。現にマラソン大会で喫煙している人をほとんど見かけないからだ。それも6000人という大きな大会でもである。私たちのマラソンクラブでも、誰一人吸わないからだ。

煙草をやっていたころは、1日30本吸っていた。給料前になると、灰皿から吸殻を拾って吸った。イガイガした味がノドを襲った。パイプもやったことがある。でもこれだけは、人前では吸ってはいけない。これを人前でやる勇気は無かった。もし人前でパイプを燻(くゆ)らせると、おそらく友人を無くすような不安を感じたからだ。生意気と思われるかも知れないと。

「桃山」パイプ用の刻みにブランデーを少し入れて、保存しておくと香りが染み込んで、火をつけるととてもいい香りがした。この方法を誰に教わったんだろう。

ハーモニカを吹いた後のタバコのうまさは、格別甘い味がしたことをふと思い出した。『生物としての静物』を読んでるだけで、体中が煙臭くなった気がしてきた。今は煙草の臭いが嫌いになり、飲み屋帰りは、虫ずが走るようないやな臭いにへき易する。

あれ?変なことを思い出した。私が子供のころ、お袋の在所へよくPhoto_135 遊びに行った。おじいさんがキセルの煙草を吸っていた。キセルの雁首、羅宇(らお)、吸口のヤニを紙縒り(こより)で掃除していた。おじいさんが「オイ坊主、このヤニをカエルに舐めさせてみろ」というから、捕まえてきて、無理やり口に入れた。しばらくすると、カエルは猛烈に苦しみだし、口から胃をポコッと吐き出して、水の中に飛び込んだ。

おじいさんは「カエルはこうして胃を洗っているのさ」と言った。

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