ジャンボエビ丼の真実
清須市に以前「板前の台所」というサブタイトルを付けた飯屋があった。行き付けのうどん屋が休みであったので、偶然通りかかったこの店に仕方がなく入った。
本当は行き付けのうどん屋のカツ丼がうまいので、今日はこれをと思い込んでいた。腹はすでにカツ丼受け入れ態勢ができていた。ところが休みでは仕方がないので、移動している最中にこの店を見つけた。
表の看板は、どうみてもヘタクソで、殴り書きの素人ものである。その中に「ジャンボエビ丼」を見付けた。今までカツ丼受け入れ態勢が、一挙に「ジャンボエビ丼」へ移行した。これならカツ丼に許してもらえる。なんてたって「ジャンボ」がいい。なでも大きい方がいい。
店に入ると、12時少し前ということもあってか、客は3人ほどいたが食事はまだ誰もしていなかった。私が座っても、店の誰もがなんにも言わないばかりか、注文も取りに来ない。ムッとした私は、イタズラに気が付くまで黙っていた。12時になったら客が3人入ってきた。
始めて私に気が付いて、アタフタとお茶を出して注文を取りに来た。ジャンボエビ丼を頼んでから、これが出てくるまでの時間の長いこと、怒りは心頭に湯気を上げ掛けたら、やっと「ジャンボエビ丼」がお盆の上に乗せられて、静々と出てきた。このジャンボな器を見たら、湯気が収まった。目の前に来たジャンボエビ丼をしみじみ眺めて、箸を入れたら、すぐコツンと底に行き当たった。
???このウソコキ!どこがジャンボじゃ!丼がペラペラなジャンボで、エビは 小ぶり、周りを取り囲んでいる天ぷらとおぼしきナスやカボチャ、レンコンは辛うじて衣を付けている。今どきのホームレスだって衣だけはシッカリ着ているぞ。それにご飯はなんということか、小さめな茶碗に一杯程度。しかも大きな器は冷めていたところに入れたのか、ご飯がもう冷めたいではないか。
そして食事が終わったのが12時35分ごろである。時間はかかった割には、ジャンボ腹にもならなかったが、腹が立った店である。あれから4年その店はどうなったか、気になる。まだやっていたとしたら、改心して本物のジャンボエビ丼にしたか、それとも昔のままの丼で誤魔化しているとしたら、よほど近所の人の気が優しいのかどちらかだろう。
もう一つ言うならば、丼を小さめにして、エビは短冊に切れ目を入れて引き伸ばして揚げる。こうすればワシは納得して帰るだろう。(エッ?もうエビには短冊の切れ目が、ほかより多めに入っているって、ムカ~ッ)
ジャンボは、エビにかかる枕詞にあらず、丼にかかるとは始めて知った。なんでも大きい方がいいという、浅はかな考えを改めるよ。
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