水道の水とミネラルウオーターと山の水
私は山の入ると川の水を平気で飲む。川の上流に民家がない場合は、きれいな物だ。そのまんまミネラルウオーターだ。
ある時山県市美山町の神崎川に沿って上流までジョギングした時である。ゴロゴロの滝というのがあったので川に降りて休憩した。きれいな澄んだ川があり、そのまま水をすくって飲んだ。友人のA君は川の水を飲むなんて、と敬遠した。うまいと飲んだ私が、この川の最終の仲越という集落に走り着いて驚いた。なんと集落のゴミが川の土手に山積みになっていた。
後日ここの役場に、下流では水遊びもしているし、キャンプ場もあるからと苦情を言うと、先日も問題になって指導に伺ったが、自分の庭に捨ててなにが悪いという。これで一件落着となったという。
さて私の腹はどうなったというと、なんともなかった。この川は所々で突然水枯れていて、また水が流れるという伏流水の連続であるから、汚れはほとんどこされて流れている。
伏流水を調べると、「伏流水とは、河川の流水が河床の地質や土質に応じて河床の下へ浸透し、水脈を保っている極めて浅い地下水。本来の地下水と異なり、河道の附近に存在して河川の流水の変動に直接影響されるものをいう。
伏流水は、地中で自然のろ過が行われるため、表流水に比べて濁度など水質が良好で安定している。
扇状地や厚い砂礫層が堆積している河床をもつ河川水は地下に浸透し伏流水となりやすい。石灰岩地域では水が石灰岩の割目を通って伏流水となり再び地表に現れることもある。火山堆積物の中にも伏流水が発達する」とある。
自然に湧き出た水で、栄養としての鉱物質が入っているもので、これが本当のミネラルウオーターである。日本産のミネラルウオーターは、ミネラルウオーターではない。なぜかというと、現行の日本の法律では、飲料水に大腸菌類を検出してはならないとあるからだ。だから厳重な検査体制で殺菌された作られた水である。
外国の、ミネラルウオーターには不純物が混入しているのが当たり前という概念がある。これが本当に「自然に湧き出た水」であるからだ。フランスのミネラルウオーター「ペリエ」のドビュッシー研究所長が、「日本のみなさんが飲料水に細菌が入っていると大騒ぎするのがまったくわからないのです。だって、口の中にも、腸の中にも、細菌がいっぱいいます。空気に中にもたくさんいるのです。細菌を含んだ飲料水を飲んだらいけないというなら、日本のみなさんは『呼吸をしてはいけない』ということになるのではないでしょうか」と語った。(『空飛ぶ寄生虫』藤田紘一郎著より)
以前大阪城の外周を走りに行ったときである。のどが渇いたので、ここにある水道から直接飲もうと思ったら、友人に止められた。ここのは安心できないから飲まないほうがいいという。少なくとも外国産のミネラルウオーターのほうがいいという。
でも先日テレビで、日本の水道からは、大腸菌を出してはならないから、ミネラルウオーターより水道の方がいい聞いた。
以前板取川を上流に走っていて、帰りにこの近くの名水を汲んで帰ろうと思った。そこで住民に聞いたら、この水道の水を持っていけという。これは山から引き込んできた水だからという。う~ん、水道の水が名水とは、もっとご利益がありそうな水はと聞くと、この下の川の水がいいという。この上流は人が住んでいないからだ。
私はこの川の水をペットポトルに汲んで帰り、氷を作ってオンザロックにした。いま走られないから、近くの真清田神社の吐水龍から吐き出された水(手水舎)を汲んできて氷を作る。この水は長良川の伏流水だから、水道よりよほどうまいミネラルウオーターだからだ。この地方は木曽川や長良川の伏流水を汲み上げて、水道水に使うが、規則通り殺菌して使うから、カルキ臭くなる。そこで蛇口にフィルターを付けて飲んでいる。変なの。
あなたならどうします?水道の水、ミネラルウオーター、私なら山の川の水がいい。
ついでに、山の水のことを書いたエッセイ、『鈍足ランナーの独りしゃべり』を貼り付けておきますので、読んでみて。
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