オレンチのトイレ その1 活字中毒者
禁酒中なので、早めに寝ることにしている。10時には床に就く。すぐに寝られるということはない。
少し禁酒になれて、日中でも手が震えることはないし、酒屋の方へ体が傾いていくとことはない。宴会の誘いもすなおに断っている。「禁酒危うきに近寄らず」(?)である。
枕元にはいつも5~6冊の本が積んである。それはエッセイから古文から小説が積んである。寝る前は、いつ眠っても気にならないような、直ぐに読み直しができる東海林さだお、椎名誠などのエッセイ集が多い。
でも早起きした時は、目の覚めるような、古文、格式の文学物、小説などを読むことにしている。
今日は妹尾河童の『河童の覗いたトイレまんだら』という誠に面白い本を読んでいた。有名人のトイレを覗かせてもらって、それをスケッチして、トイレにまつわるエッセイである。このイラストが、見事に具体的で、さすがグラフィック・デザイナーである。
さっそくワシも真似してやろうと、我が家のトイレを上から覗いたイラストを描いた。なかなか上から見えるようには描けないと分かった。
正面から見たものを頭に入れて、それを上から見たように、何度も首を上下に振って、上から見たような錯覚をかすんだ頭で想像して描いた。出来上がったのは特徴のない普通のトイレ。
ただ一つ、私は活字中毒者で、飛び込む時はなんでも活字があるものを持ち込む。先日なんか酒屋の請求書を持ち込んで、少し取引が多すぎると反省した。
これではいかんと、簡単に取り付けができる棚を買った。実はこれが自慢のトイレの中の本棚である。この中の収録本は、私が自費出版したエッセイ集『鈍足ランナーの独りしゃべり』。この本のセールスポイントは、”トイレに一冊心休まるひと時を”である。
それに『猿猴庵の本』、これは江戸時代の風物を描き、今風で言えば、エッセイをつけたような古文である。この草書が、ものすごく美しい草書で。これを読み解く、この草書がなかなか難解で、出るものが出なくなるのが難点だ。「くずし字用例辞典」まで買って来て、ウンと読めるようになった。
落語の『落語古典集』6冊と『落語選集』が1冊、これを読みながら、ケケケケッと笑いながら、今日一日を明るく生きる希望がわきあがってくる。「ジュゲムジュゲム・・・」なんてほとんど言えるよ。
ニュートンという科学雑誌。これはどちらかというと絵本に近いから、見ているだけで楽しい。198冊持っている中から4冊ほど入れ替えている。トイレから出てくると、なぜかとても賢くなったような気がしてくる。
トイレにまつわる本が、『トイレまんだら』『トイレと文化孝』『トイレ面白百科』『トイレと文化』『トイレは小説より奇なり』の5冊入っている。なにもトイレの中で、トイレの本を読まなくてもいいものなのにと思うでしょうが、意外や臭気はなく、明るくトイレを描いている。
出す物出して機嫌が良くなってドアーを閉めたら、排水の音がガバガバ音を立てているのが聞こえてきた。このヤロウ~ッ騒々しい音立てやがって。この音のことを次回書いてやる。
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