ウサギはおいしいか?
ウサギ追いしかの山 小鮒つりしかの川
♪ うさぎおいし かのやま
こぶなつりし かのかわ
この歌のことを家内に言うと、ウサギって美味しかったよって。なるほど、「ウサギ美味し」と歌っている。
歌だけ聞いていると、こうなるが、漢字を交えると以下になる。
故郷 高野辰之作詞 岡野貞一作曲
1 うさぎ追いし かの山
小鮒釣りし かの川
夢は今も めぐりて
忘れがたき 故郷
2 如何にいます 父母
つつがなしや 友がき
雨に風に つけても
思いいずる 故郷
3 こころざしを はたして
いつの日のか 帰らん
山は青き 故郷
川は清き 故郷
久しぶりに詞を読んで、故郷の父母を遠くから思う子供の心情がよく伝わってくる。今こんな親子関係が、どんどん歪(いびつ)になってきている。
家内は新潟の山育ち。結婚してから初めて、彼女の故郷を見たとき、この奥地には、もう人類は生息していないのでないかと思った。日本海の佐渡方面から吹き付ける風が、柿崎の米山を乗り越えてド~ンとぶつかる山の中腹にあったからだ。
道路はまだ舗装されていなくて、乗ってきた車があまりの坂道にスリップして登らなかった。やっと助走をつけて上り詰めた。そこの実家は豪雪地帯の真っ只中という立地条件。2階屋の上下に玄関があった。
学校まで4kmほど歩いて行き来した。冬はカンジキをはいて、前後を猟銃を手にした大人に囲まれて登校したと聞いた。この学校の行事に、全校生徒(小学生から中学まで)と父兄で山狩りをしたという。面白そうだなァ。
捕らえた獲物で鍋を作り、食べたという。そこにはウサギがよくいたという。
ウ~ン、ワイルド!日頃の粗暴さは生まれ育ちから来ているのかと、今さながら実感する。
ここで考えた。この作詞家はたぶんこんな環境で育ったンではな
かろうか。調べてみると、幼少時代は長野県下水内郡豊田村(現中野市)で育ったという。それでうなずける。ここで兎を追った山は大平山、コブナを釣った川は斑川だという。分かるなァ。
ワシらァも、この近所の川で、小鮒やザリガニ、ドジョウ、シジミ、ドウビンとなんでも捕まえて、なんでも口にしたものだ。団塊の世界の諸氏も、こんな経験があるのではないかな。その川は今、どぶ川になってしまった。私たちはいい経験ができた時代に育ったということかも知れない。こんな環境を次世代に残せたらいいのにね。
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