子スズメを拾った
「お~い、スズメがまだ息している」と帰りかけた私を呼び止めた。なるほどスズメがひっくり返っている。拾い上げて、胸に耳を当てると、人間の三倍ほどの脈拍が伝わってくる。「ウン、生きているから、家で様子を見てみるわ」と車の座席に乗せた。
退院しから、朝は今まで通りラジオ体操に出掛ける。入院中のここの人たちから見舞を頂いていたので、お礼の挨拶もしなけれがいけない。首に大きなカラー(コルセット)をして出掛けた。当然入院中頂いた、脊椎や頚椎のフイルムも持って行った。口で説明なんかできるような手術ではないからだ。
そんな私が、医師から首を動かすなというのに、もうラジオ体操といわれそうだから、それは慎重に体操をした。まるでロボコップの操り人形のようで、上下に飛び跳ねる、前後の屈伸は足の屈伸に変更して体操をこなした。
その帰り道です。助手席のスズメはひっくり返って目を伏せている。家には、手乗りのセキセイインコがいて、巣箱にはほとんど入らなくて、夜になるといつの間にか入っている。そんな空き家のような巣箱のそばに、果物駕籠にタオルを敷いて、遊びのオモチャとして手鏡を立ててある。
鳥というには鏡が好きでね。車のバックミラーに鳥が自分の姿を写して、「鏡よ鏡、世界で一番美しいのは」と語りかけている。鏡の中の鳥は、自分でなく友達と遊んでいるのだろう。
そんな性格を利用して、手乗りインコの遊び場を作ってある。そのタオルの上にそっと寝かせた。1時間ほどたったらモソモソ動いているから、パン粥を作った。これは暖かい牛乳にパンをドロドロに溶かして、スポイトで鳥に与える。
過去にもこの方法で手乗りインコができてしまったことがある。今度は手乗りスズメを作ってやろう。先日テレビでスズメがしゃべったというではないか、少し楽しみになった。なかなか餌を口に入れようとしない。何度も少しずつ与えているうちに、少しずつ口に入りこんでいく。2時間もするととても元気になった。
ふと気が付くとどこへ行ったか分からなくなった。飛び立ってしまった。窓を空けていないので家の中にいるはずである。捜していたら、壁に掛かった額の上に乗っていた。
何とか捕まえて今度は駕籠に入れた。ところがまた外を飛んでいる。あれ?おかしいな。駕籠を点検するも入り口は閉めてある。まさか駕籠の網目をすり抜けたか。網目は2cmもない。もう一度入れて観察すると、網目をすり抜けている。なんというたくましさ。
今度は駕籠に新聞紙をかけて監禁した。じゅくり体力を付けてから逃がしてやることにした。肝心な我が家の手乗りインコは、遠目に眺めているだけであった。さすが野鳥のスズメだ、飛翔力は抜群にいい。翌朝もう一度パン粥を与えて逃がしてやった。これは子スズメであった。
大人スズメと子スズメは胸を見るとよく分かる。胸のよだれかけのような、黒ネクタイのような筋が入っているのが大人、白っぽいのが子供である。写真に写った鏡の中のスズメの胸を見てごらん胸が白いから。それとセキセイインコとスズメがそれぞれ相手を横目で見ている。
毎朝スズメに餌与えているから、親か子供かよく知っている。巣離れしない子スズメが親から餌をねだっている姿をいつも見ている。
こんなある日、友人のマイタウンさんが、こんなブログを書いていた。
「酔っぱらったとき、駅前にある街路樹を蹴るのがクセである。驚いたスズメがおびただしいほど飛び立っていく。大きい木を思い切り蹴飛ばしたら、反動で後ろにひっくり返ってしまった。
仰向けになって見た景色にカンドーした。漆黒の夜空に下からの光を受け、ものすごい数のスズメが一斉に飛びした。立ったまま眺めていたこれまでの光景とは全然違い、屏風絵にでも描きたいような構図と美しさだった」
なんとも六十路の酔っ払いの出来事しては、なかなか可愛い。一人空に向かってバカヤロウなんて叫んで、地団太踏んで駄々をこねているようで。でもこれ位ですんでよかったぜ。近くに警察署もあるから、保護されんように。ましてや引取りなんてワシを呼び出すなよ。
片や追い払う人、片や保護して介抱して逃がす人。スズメが恩返しするとしたら、どっちだろうかね。
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コメント
雀のよだれかけで順位が決まる
黒色が濃く大きいほど順位は高い
集団でいる雀は順位が低く縄張りを持てない
順位の高い雀は縄張りを持ち単独行動をし
子育てもできる
将軍クラスのスズメに成ると噛まれると
百舌鳥が噛んだように痛い
骨格も普通のスズメより立派である
将軍クラスのスズメは千匹に一羽いるかいないかである
投稿: N.K | 2010年11月 9日 (火) 21時46分