ラーメンのノリについて考える
このノリはなんのために入っているのか、とラーメン屋のオヤジさんに聞いたが、明快な回答は出てこなかった。どうも初から「ノリ」が悪いなァ。
ノリの起源は、ずいぶん古くて、「海苔」という文字ができる前に存在していた。これが下記のホームページに出ていた。これを転載します。http://www.gscorpo.co.jp/unchiku/nori_rekisi.htmlより
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海苔の歴史
海苔という言葉がまだ日本になかった頃から、食用としての海苔の起源は古い ものです。 文字として残っているもっとも古い記述は、地方の風物を記した『陸奥国風土記』(むつのくにふどき)にある日本武尊(やまとたけるのみこと)の歌です。
出雲や常陸の風土記・万葉の歌にもその記述がみられます。 飛鳥時代に仏教が広まるにつれ、殺生が戒められたため、海藻が食べられるようになりました。
702年2月6日(海苔の日)に施行された大宝律令の調(税制のひとつ)の規約を示した賦役令にも、紫菜(のり)の名称で貢納品の海藻のひとつに定められています。 平安時代の貴族にとっては最貴重品として扱われ、五位以上の貴族に限ってのみ支給され、庶民には無縁のものとなっていたようです。
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次に「ノリの発祥が、日本か中国なのか」の設問に行こうかと思ったが、もう回答が出てしまった。やはり海洋国日本が発祥のようである。もともと中国には海が少ないから。
私がいつも行く「どさん子」で、オバちゃんを相手に、「いつごろからノリが載ったのか」と聞き込みを始めた。オヤジはこの会話に交じろうとしない。ヒョトして回答を求められたら困ると思ったんだろう。目を合わさないようにしているが、そうはいかん。頼んだビールを持ってきたので、オヤジに聞くと、こんな話は聞いたことがないという。そしてラーメンの製作に取り掛かった。そして聞こえないような声で「昔からそうしたもんだわさァ」とつぶやいた。
今はいい時代になったものだ。こんなことを調べようと図書館に行ってご覧、何から手を付けていいのか分からんと思うよ。パソコンをいじっていたら、こんなのが出てきた。「そば料理がルーツで、東京から始まった」という。この件はあまり深追いしなくて、ラーメン屋のオヤジと同じで知らん顔して次に行く。
ノリはラーメンの中での地位は、単なる付属品である。この件でもラーメンというのは国民食だけあって、ノリひとつでうん蓄を述べている人がいかに多いかよく分かった。
- アクセント=飾り物説
- 風味があり、溶けても風味が失われない=味物説
- ノリ不要論=無関心派
- 毛嫌い論=嫌ノリ派
- 山本屋系より山本山系のほうが溶けにくい=山本山の回し者派
- パリパリがいい=歯物説
- 何かを巻きつけて食べる=巻物説
なぜこんな話になったというと、ことの始まりは、ラーメンの中のノリ、これをどうやって食べるかを一瞬考えたら、ラーメンが伸びてしまったからだ。
椎名誠さんが食文化の違いで、こんなことを言っていた。
- 韓国人は何でもかんでも混ぜて食べる。
- 欧米は、パンに挟んで食べる。
- 日本人は載せてしまう。丼物、すし物など。
もしウナギを食べさせたら、韓国はウナギ混ぜご飯が定番になる。欧米はウナギサンドになる。そして日本は丼になるという。なんとなく分かる気がする。
さて、皆さんはどうやってノリを食べているか。私の想像するに、
- こんな面倒なものは、早めに平らげるにこしたことが無いと、そのまま食べる。
- いやこれを麺の下に入れておいて、後で掘り出して食べる。いいノリは、汁気を吸っても味がいい。これはかなりのラーメン好きな人だ。
- これでシナチクを巻く、麺を巻く、モヤシを巻く、チャーシューを巻く、鳴門を巻くといろいろ楽しめそうだ。
- いつまで経っても汁を吸わない防水北朝鮮ノリなんて出てくるかも。イカンこんなこと書くと、わが家にテポドンが飛んでくる。
- 最後に、毛嫌い派が取った行動は、丼に縁にくっ付けて帰る。カウンターの下に貼り付ける。週刊誌に挟んで帰るという、性格がネジた人。
これをオヤジさんに聞いたら、知らんと、顔を背けたので、オバちゃんに、ひと月後に来るからそれとなしに観察してみてと頼んでおいた。アハッ、来月店を閉めているかも。嫌がらせに、ノリラーメンを工夫しているかも。
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