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2008年1月26日 (土)

「川について」カヌーイストの野田知佑はいう

私は彼の本が好きで、ほとんど読んでいる。そのなかで環境について語る言葉を記録している。Photo

いま一宮の市内を流れる大江川を、まるでU字溝のような 三面張りという工事を毎日見ていると、ほとほとこの一宮の議員にはあきれる。

この看板に描かれている魚が、本当にすめるか?川底にはヘドロが堆積し始めている。川底には魚がすめるようにと、ヘコミを付けているが、それは言い訳で、この工事を正当化しようと言っている騙し文句だ。空しいいねェ。この川で昭和20年代はよく泳いだものだ。蛍がいて、魚がいて、ザリガニがいた。

そのころ、ここで遊んだよい子たちが、ここにフェンスを張り巡らし「よい子はここで遊ばない」、中には「川をのぞくな」というバカバカしい看板を付けている。

野田知佑さんの言葉を拾ってみた。

「高価なリール竿とルアーを子供たちに押しつけ、いびつな釣りを流行らせ、内水面の魚と釣り文化に壊滅的な打撃を与えた釣り業者の罪は大きい」

3本フックの大きな返しのついた針で魚の口に中を無茶苦茶に引き裂いて釣り〈子供に命の大切さを教える〉などといって消毒スプレーを吹きかけ、リリースしているブラック釣りの連中の偽善、ごまかし、自然や魚に対する無知は笑止千万である」

「いくら雄大で美しくてもな、外国の川はどこもつまらんよ。北の川は冷たくて潜って遊べないし、南の国は景色が単調なんだ。だから、本当は日本の川がいいんだ。短いけれど、山から海までどんどん景色が変わっていくし、カヌーを止めるたびに、取れる魚の種類が違う。それに、四季を感じる。これは大きいことだぞ。世界中でここにしかない川に味わいなんだ。子供のころ遊んだ故郷の川が、体に染み付いているんだなァ」

「汚れた川、巨大なテトラポットの並んだ海岸、ダムのために削り取られ、裸になった山。それらのそばに住む人々はみな無意識にうちに川、海、山から目をそらし、ここらの中から閉め出して日常生活を送っている。そして、そのことに慣れ、なれたことを忘れている」

「建設官僚、族議員、土建業者、この三者の癒着はすさまじく、いま全国一斉にいたるところで川をいじる工事が行われている。曰く、親水護岸、曰く、川にやさしいダム作り、曰く、多自然型護岸、曰く、近自然工法、こんなごまかしの言葉が氾濫する中で、日本の河川のほとんどは壊滅してしまった」

「ニュージランド上空のオゾンホールが大きくなり、皮膚がんで死ぬ人が増えている。政府はあまり日光浴はしちゃいけないといっている。環境がいいので住み着いた人が、環境問題でこの国を去っていく」

こんなんで大丈夫だろうか、この日本は。

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