時計だらけ

最近私は、腕時計をしなくなった。時計が無いわけではない。私の妹が、ロレックスに勤めている時に、この会社の時計を買えば、安くするよと言われたが、断った。私は大衆車のセールスマン。お客さんより高級な時計をはめていると、相手に不愉快な思いをさせてはいけないからだ。

それに私は時計にそんなの興味はない。高級時計よりデジタル時 計の方が、時間は正確だし、マラソンには、ストップウオッチ機能が必要だからだ。

マウンテンバイクに乗るようになってから、腕時計をすると邪魔のなるようになった。前かがみになって乗ると、手首が曲がると、腕時計が手首に当たり、痛く感じる。それに、周りに時計がいくらもあるではないかと思うようになった。そしてはめなくなった。

マンテンバイクには、走行距離計、累積距離計、カロリー、時計が付いている。携帯電話にも、大文字なのが付いている。私はマウンテンバイクに乗っているときには、携帯ラジオを聞きながら走っている。それにも付いている。カメラにも付いている。身に付けているものだけで、４つもある。しかもコンビニ飛び込めばそこにもある。

人間というものは、そういう物に頼らないようになると、本来持ってい る感覚がよみがえってくるのか、時間にも敏感になって、今の時間がおおよそ分かるようになった。原始の細胞がよみがえってくるのだろうか。

友人が、マラソン用の時計を、３００円で買ってきたと自慢していた。そしていざスタートのときにストップウオッチを押したら、なんといきなり表示が真っ白になった。電池切れで、文字が突然見えなくなった。アハハハハ～ッ！安物買いの銭失いめ。

そいつが、もうすぐゴールというときになった。でも時間が気になる。そこで近くのランナーに、今の時間を聞くという。相手も息を切らせているのに失礼な話だ。ワシに聞いたらウソの時間を教えてやるのに。時間を聞いたからといって、足が早くなるわけでもないのに。短い足やがって。そいつはワシのクラブの会長じャ。