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2008年4月 9日 (水)

「茶化す」の語源が見つかった

妹尾河童さんの本が好きで、よく眺めている。眺めるというのも変だが、スケッチが多い。舞台美術家でエッセイストで、どの本にも細密イラス入りの著書が多い。

今回読んでいたのが『河童のスケッチブック』である。今朝4時半ごろ早めに目が覚めたので、枕元のこの本を開いた。最近どういう訳か、語源が気になって仕方がない。本を読んでいて語源に迫る箇所が出てくると、必ずパソコンに入れておく。

今回は「茶化す」である。広辞苑では「(1)ひやかす。なぶる。ばかにする。茶にする。(2)はぐらかす。ごまかす。ちょろまかす」というように、現在はどういう意味で使われているかの説明しかない。

妹尾さんは、調べているうちに、『嬉遊笑覧(きゆうしょうらん)』とい う天保元年(1830年)に出版された本にたどりついた。それによると、飲むお茶とは関係ないことがわかった。中国の銅製のラッパが、見世物の伴奏音楽に使われ、いままで日本になかったあの奇妙な音色が、調子のいい無責任は音に聞こえたらしい。茶は単なる当て字で、チャルメラの「チャ」から、「チャかす」「チャランポラン」などと、いい加減な感じを表す言葉になったらしい。

Photoチャルメラは、広辞苑では、ポルトガル語でtyaramela[語源はcalamusラテンで蘆(あし)]のこと.

オーボエの原流で、管楽器の一つ。16世紀の後半、南蛮物として渡来したが伝わらず、現在のものは中国の南蛮笛で笙の一種「哨吶(さない)」が伝わった。

江戸時代初期に長崎を訪れたポルトガル人が、この哨吶という楽器を「チャラメラ」と呼んだことから、哨吶のことを「チャルメラ」と呼ぶようになった。

屋台の中華そばやが使っているあれさ。

(注)『嬉遊笑覧』喜多村信節著

1830年(天保元)/風俗関係の事類。居所、服装、書画や詩歌、歌舞、音曲、祭祀、娼妓、草木といった項目で資料を基に考証している。付録を含めて13巻。

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