オバマ大統領で試される、アメリカの自由度
ダーウインのブーグル号の世界一周も終わりに近づいた。彼は奴隷のことをこう書いている。
ーーわれわれはブラジルに別れを告げた。私は2度と再び、この奴隷の国を訪れることはないと考えて、ありがたかった。
リオ・デ・ジャネイロの近くで、私はある老婦人の向かいに住んでいたことがある。この婦人は自分の家の女奴隷の指を押しつぶすために締めねじを用意していた。思うに、奴隷の主人にみかたをし、奴隷に対して冷酷な人は、みずからを奴隷の立場において考えたことのない人である。
自分の愛する妻子が買い手がありしだい、獣と同様に売り飛ばされるという不安が、いつも頭上にかかっていることを想像してみるとよい。
われわれイギリス人とアメリカにいるイギリス人の子孫が、おこがましくも自由を叫びながら今日まで、このような犯罪を犯していることは、まさに人の血を逆流させ、心おののかされるのである。ーー
『ビーグル号航海記』ダーウィン著・航海は1831年から1836年までの話を、1839年にこの航海記として出版している。
いまアメリカで大統領予備選挙で、大方次期大統領が決まりかけている。アメリカの人種差別は根底ではいまだにべっ視の傾向が強い。はたしてオバマ氏を大統領として受け入れる心の準備ができているんだろうか。
「オバマ氏への期待が増せば増すほど、暗殺の危惧も高まる」というニュースが流れる。そして先日、「ボビー・ケネディ(ロバート・ケネディ元司法長官)の暗殺は6月だった」と発言。オバマ上院議員の暗殺を期待するかのような発言と受け止められ、即刻、謝罪に追い込まれた。 素直にクリントンの謝罪を信じがたい。いくら言葉を並べても、取り返しは付かないからだ。
オバマ氏を素直に受け入れられれば、それこそ自由の国アメリカになれるのだが。
メイがイギリスへ留学していた時、あまりにもひどい差別で、2年後アメリカへ変更したほどだ。いまだにカラードへの偏見は生きて続けているからだ。
アメリカも根底では、黒人に対する偏見が生き続けている。自由の国になれるか、いまこそ試される時だ。
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