曼陀羅寺の藤とランナーの木、ハナミズキ
随分きれいに公園整備された。庫裏の正面にあるハナミズキは、きれいに咲いていた。
これは私たちが植樹させてもらった「ランナーの木」である。
平成6年に55人のランナーで植樹祭をした。このころ「ランナーよ曼陀羅寺を目指せ」と言うイベントをやっていた。朝7時に、この場所を目指し走って来いという、マラソン大会の逆モーションである。だから走って来る人は、40km10km5kmとマチマチだが、みんな7時からここで、いい汗かいてビールを飲みながら、歓談する。要するに、仲間作りにもってこいのイベントをやっていた。
今は、私の故障と、クラブ員の故障で参加できなくなってきた。自然消滅の形になってしまった。残念である。
あの時、仲間と植えたハナミズキが、もう5mほどになって、木の剪定もしてもらって、美しく咲いていた。
藤は満開のものもあるが、これからのものもあるから、 相当長く楽しめそうである。屋台からビールを買ってきて、藤棚の下に座り込んだ。
ここで少し話がそれるが、「藤」という姓はたくさんある。これは、源平の時代に、裏で藤原が勢力を振るっていた。それより古いのが「橘(たちばな)」という名族で、これを「源平藤橘」として、四大氏姓といわれている。
この中の「藤」は、藤原の藤で、これから藤の付く氏姓のいわれを、『日本苗字読み解き事典』丹羽基二著から、拾い書きします。
官職由来の武家藤原
- 斉藤 伊勢に奉仕する役所の長官、斎宮頭が由来。その藤原が斉藤を名乗った。
- 工藤 木工助(もくのすけ) 宮殿の造営、修理
- 佐藤 左衛門尉(さえもんのじょう) 日本の律令制下の官職のひとつ。左衛門府の判官であり、六位相当の官職であった。
- 左藤 〃
- 進藤 修理進 皇居
などの修理、造営を司った。 - 首藤 主馬首
乗馬、鞍具の類の供進を職掌とします。 - 主藤 〃
- 内藤 内舎人(うどべり) 宮中の警備、雑役、行幸の警護
- 武藤 院の御所警備の詰め所、武者所
国名・地名の武家藤原
- 伊藤 伊勢国の藤原が伊藤を名乗った。
- 遠藤 遠江国
- 加藤 加賀国
- 尾藤 尾張国
- 武藤 武蔵国
- 後藤 備後または肥後
- 須藤 下野国那須
- 進藤 信濃国
- 権藤 肥後国飽田郡権藤村
- 佐藤 下野国佐野庄
他族との結合のよる苗字
- 安藤 安部氏と藤原氏と結合し安藤を名乗った。
- 春藤 春日氏と藤原氏
- 海藤 海部氏と藤原氏
- 江藤 大江氏と藤原氏
こうして多くの「藤」の字を付け、多くの苗字が生まれた。日本人の苗字の数は約27万種は世界一という。家紋は約2万といわれる。
家紋の五大紋は、「藤」「木瓜(もっこう)」「酢漿草・片喰(かたばみ)」「鷹の羽」「桐」である。




「藤原系」が必ず「藤」の家紋とは限らない。念のために、墓へ行って、「藤」の付く墓の家紋を観察すると、色々あることが分かる。
家紋は一家に一個とは限らない。長い歴史の中に、家紋は変わったり増えたりする。増える場合は、
- 婚姻などで婚家の家紋も採用する。
- 主家などから下賜される。
- 記念に新しい紋を採用する(戦勝記念など)。
- 兄弟の契りなどその他。
私の友人の車屋が、家紋が分からんと言うから、墓で調べれば分かると言うと、新しく作るという。家紋を作る商売もあるから、それもありか。なら「ベンツ」「ワーゲン」のマークがいい。「トヨタ」はありふれているからいかん、と大笑いした。
稲沢の「禅源寺」は黄門様から葵の紋を拝領している。なんでもここを通りかかったとき、黄門様が「おこり=マラリア」にかかり、この寺で介抱してもらったお礼という。以来寺紋として使われている。だから、もともとあった家紋は、裏家紋になり、表家紋は「葵」になる。
藤の花を見ながら、フトこんなことを考えていた。
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