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2008年10月11日 (土)

慢性炎症性脱髄性多発根神経炎・CIDPでとうとう店を閉めた

先日、町内のご老人の通夜があった。その席で時々寄る居酒屋のオヤジが、とうとう店を閉めると聞いた。

夕方友人が呼び出されて、お別れに飲みに行って来たという。大変な病気を抱えていることは知っていた。難病で、「四肢の感覚まひ、運動まひがおこります。眼球の運動まひや呼吸まひがおこることもあります。進行したり、再発をくり返したりすることで、筋萎縮、感覚の脱失もあらわれてきます」という、慢性炎症性脱髄性多発根神経炎という病だ。

先回は検査入院だったが、今回からは本格的な闘病生活が始まる。包丁を持つ手の握力は、私の手を握ったとき、まるで赤ちゃんの握力である。

通夜の帰りで、黒のズボンとネクタイであったが、構わず入っていった。本当は昨日で店を止めるはずなのに、地元の消防団の飲ん兵衛が集まってお別れ会をするという。顔を見るたびに話し込んでいたので、近々店を閉めるのではないかとは思っていたが、明日からとは知らなかった。

「智さん、いいかい、ワシも神経を、頚椎から脊椎まで、全部触る手術を乗り越えた。絶対にあきらめるな、待っているからな。いよいよの時は穴を掘ってやるから。帰ってこいよ」と、互いのゲンコツを突き合わせた。

翌日、店の前には「閉店のお知らせ」という寂しい張り紙がしてあった。

私たちランニングクラブは、忘年会、友人の傘寿の会、結婚祝いなど、事ある度に理由をつけてここで飲んでいた。ある時、市から「10年の長きに渡り、社会福祉に貢献した廉(かど)で、表彰するよってに、出頭するべし」という、お達しがあり、お役所に出掛けた。そこで表彰状と記念の柱時計をもらった。

社会福祉というのは、寄付金である。わがクラブは、会費というのはない。そのかわり飲み代を少しずつ余分にいただき、それで会の運営に当てていた。これがいつの間にか結構な資金となり、その中から特に地震災害の義援金を送り続けている。これは現在も続いている。

この記念の時計を19人で分けるというわけには行かないので、この居酒屋に掲げた。今までこの店の中で時を刻んでいた。それがもう見られないのは寂しい。

この時計も、また「コッチ」へ帰ってくるようにと、「コッチ、コッチ」と、どこかで時を刻んでくれるだろう。智さ~ん、あきらめるな。

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