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2009年5月16日 (土)

草津の冬

私は尾張平野のど真ん中に住んでいる。冬でも雪で困るということはほとんど経験がない。

先日葬式ができて、義姉と通夜で一晩話込んだ。冬の話になり、なぜ雪国の人は転ばないのかと聞いた。この尾張で道路が凍結すると必ず転倒者が出る。靴が違うのかと聞くと、もちろん長靴の靴底が違うという。

それだけか?というと、基本的に歩き方が、カカトから着地するのではなく、つま先から歩くという。なるほど雪とあまりかかわりのない地方だと、こんな歩き方はしないだろう。カカトから着地して、大股で闊歩するだろう。それで転倒するのだという。

最近私が朝ラジオ体操に行く公園で変な工事をした。昨年の豪雨011 で、この公園から流れ出した土砂で、最近できた近くのマンションに土砂が流れ込んだ。これに文句を言ったら、市が公園から土砂が流れ出さないように、30cmほどのコンクリートの堤防を作った。このコンクリートが、カチカチ(硬い)でツルツルで、公園の砂が薄くかかるだけで、みんな転倒している。これは雨や、雪や氷でも張ると、転倒して骨折にもなりかねない。

雪国は、屋根に積もった雪下ろしが大変だという。この屋根の積もった雪が落ちてケガをする。この落雪による事故は、当然、積もれば落ちる理屈が分かっていて放置していたなら、責任は家主にある。落ちることが予見できるからだ。

突然一晩に1m降って、朝起きたら車はペシャンコになっている。こんなんなら予見できないから免責になるだろう。自然現象はすべて免責になるはずだ。風でトタンが飛んでケガをした。車に当たった、家のガラスが割れたなどは、免責になる。

予見できたかどうかどうか、これが大変だ。だから雪下ろしをしないと、賠償責任がかかる。

わが家の隣が4階建てを建てた。その時に雪止めの瓦を付けるように申し込んだ。落雪がわが家に屋根を直撃しようものなら、被害は甚大であるからだ。

この屋根の落雪防止の雪止めは、雪国では付けないという。雪が落とせなくなるし、雪の重みで、家がつぶされるという。

人は歩く時は軒下を歩かないという。

だから年を食った老人でも、雪下ろしという重労働が待っている。草津も雪が降らなくなったという。助かるが、どこか地球が狂ってきているという。

とうに冬から春へ、アッという間に初夏の様相。雪とは無縁の季節だが、雪とは無縁な所に住んでいる私は、この話を興味深く聞いてきた。

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