草津の冬
私は尾張平野のど真ん中に住んでいる。冬でも雪で困るということはほとんど経験がない。
先日葬式ができて、義姉と通夜で一晩話込んだ。冬の話になり、なぜ雪国の人は転ばないのかと聞いた。この尾張で道路が凍結すると必ず転倒者が出る。靴が違うのかと聞くと、もちろん長靴の靴底が違うという。
それだけか?というと、基本的に歩き方が、カカトから着地するのではなく、つま先から歩くという。なるほど雪とあまりかかわりのない地方だと、こんな歩き方はしないだろう。カカトから着地して、大股で闊歩するだろう。それで転倒するのだという。
最近私が朝ラジオ体操に行く公園で変な工事をした。昨年の豪雨
で、この公園から流れ出した土砂で、最近できた近くのマンションに土砂が流れ込んだ。これに文句を言ったら、市が公園から土砂が流れ出さないように、30cmほどのコンクリートの堤防を作った。このコンクリートが、カチカチ(硬い)でツルツルで、公園の砂が薄くかかるだけで、みんな転倒している。これは雨や、雪や氷でも張ると、転倒して骨折にもなりかねない。
雪国は、屋根に積もった雪下ろしが大変だという。この屋根の積もった雪が落ちてケガをする。この落雪による事故は、当然、積もれば落ちる理屈が分かっていて放置していたなら、責任は家主にある。落ちることが予見できるからだ。
突然一晩に1m降って、朝起きたら車はペシャンコになっている。こんなんなら予見できないから免責になるだろう。自然現象はすべて免責になるはずだ。風でトタンが飛んでケガをした。車に当たった、家のガラスが割れたなどは、免責になる。
予見できたかどうかどうか、これが大変だ。だから雪下ろしをしないと、賠償責任がかかる。
わが家の隣が4階建てを建てた。その時に雪止めの瓦を付けるように申し込んだ。落雪がわが家に屋根を直撃しようものなら、被害は甚大であるからだ。
この屋根の落雪防止の雪止めは、雪国では付けないという。雪が落とせなくなるし、雪の重みで、家がつぶされるという。
人は歩く時は軒下を歩かないという。
だから年を食った老人でも、雪下ろしという重労働が待っている。草津も雪が降らなくなったという。助かるが、どこか地球が狂ってきているという。
とうに冬から春へ、アッという間に初夏の様相。雪とは無縁の季節だが、雪とは無縁な所に住んでいる私は、この話を興味深く聞いてきた。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。


コメント