日光川をたどり、津島神社周りを徘徊してきた

日光川は江南から始まっている。愛知県江南市西部に源を発し、一宮市の中心を横切り旧尾西市との境を南下する。稲沢市西部、津島市、愛西市、海部郡の各市町を流れ、名古屋市港区と飛島村の境界から伊勢湾へ注ぐ。

古くは『萩原川』と呼ばれ、木曽八流のひとつとされている。河口付近は江戸時代の干拓地である。福田川、善太川、宝川の合流点から川幅が拡大し、河口部では最大１ｋｍ近くに及ぶ。

今日は津島の友人宅に写真を届けるために、日光川を南下している。交通量が少ないし信号がないからいい。今日は暖かいから、気分よく走られる。平和町あたりで地道になるところがあるので走りにくいが、ゆっくり行けばいい。

一宮の旧尾西市の境にある、汚水処理場あたりになると、透明度はゼロである。まるでコーヒーのような川水になる。少し下 り、稲沢あたりになると、カモが濁った川水に集団でいる。少し透明になってきたか。

日光川から平和町へ入り、津島との境目に、小高いなんとなく昔堤防という雰囲気の細い路をたどることにした。たぶんこれが天王川に跡地だと思って地元の人をつかまえて話を聞くが、知らないという。小さな神社に観光案内の看板が出ていた。やっぱり、これが天王川の東岸堤防跡地で、巡見街道であると初めて知った。

誠に自転車とはいいものだ。思うように方向を変えられる。ジョギングだと疲れるので、あまり横道へ行きたがらないのに。

津島には三街道が入り込んでいる。

1. 津島川（天王川）東岸の本郷の中心部を南北に通っている巡見街道。
2. 名古屋城からの上街道（美濃路から清須市新川西堀江で分かれ、甚目寺を通って津島に入る清洲津島街道）
3. 熱田からの下街道（名古屋市金山から、佐屋路から津島に入る佐屋街道）

がある。２と３の路は自分の足で走ったことがあるから、景色が浮かぶ。

天王川の東堤防跡をたどると、街中に古い屋敷が立ち並ぶ。その前に井戸があるではないか。それも堂々と撤去されずに道路にはみ出している。なんとも不思議な光景だ。こういう光景は後世に残すべきだろう。

この天王川堤防跡地をたどれば、必ず天王川公園に行き着く。そう思って市内を徘徊する。どの道も大変狭く、戦争の被害にあっていないようだ。しかも昔の繁栄していた当時をホウフツとさせる雰囲気が残っている。

稲沢市史資料にこんな記述がある。

---縦横の町並五十余街、商家農工軒を並べ、万物一つとして足らざる事なく、しかのみならず美濃路、伊勢路への舟行日毎に絶ゆることなければ、諸国の旅客ここにつどいて、繁盛大方ならず、実に一大都会というべし。（尾張名所図会）---

そんな思いで街並みを見ると、昔の屋敷跡が繁栄の名残とすぐに分かる。観光案内所あったので入って地図でももらおうと思ったら、休みだった。バイクを降りて歩いて市内を徘徊した。

加藤清正公の神社を回り、堤防跡地を南下すると、 思ったとおり、天王川公園に出た。平日というのに結構人がウォーキングを楽しんでいる。なんと稲沢走友会の知人に出っくわした。この近くに住んでいるという。公園は昔の天王川の名残で、今は池になっている。そこには多くのユリカモメが羽を休めている。

私の友人宅へ写真を届けてから、今度は津島神社へ少し遅い初もうでである。ここにはもう随分前、秋祭りに３年ほど参加したことがある。山車を引き回す祭りがある。少し小さめな山車は狭い街並みあったサイズなんだろうか、この山車の前輪を持ち上げて、グルグル回転させる「車切り」という見せ場がある。これを延々と１時間ほど回す。翌日は骨がバラバラになるほど体中が痛んだ。

市内を久しぶりに通ると、道路に円形の輪だちがある。これが秋祭りの車切りのワダチの跡だ。

腹が減ったので、中華料理店に入り、帰路は向かい風出てきて、ヒィーヒィー息を切らして帰ってきた。

往復５２ｋｍ、いい汗をかいた。