アユのセリ市に異変
ここは一般市民が参加できるセリ市である。料理屋とか魚屋はいない。
昨年始めてこのセリの権利を登録した。それも永久権利で500円である。
漁協組合から案内状がきた。「―――木曽川に落ち鮎の季節が来ました。登録さえすれば、どなたでもセリに参加できることで有名な木曽川漁協の「鮎市場」(9月1日から10月31日まで休みなし。―――」という案内である。
ところがこんな記事が中日新聞に出た。「一宮の風物詩・競り市危機」「木曽川にアユ不漁」と報道された。遡上が昨年の7割減という。では実際はどうなんだろうと、18日にのぞきに行くことにした。昨年は60~70箱出荷されていた。だが行ってみると、なんと20箱ぐらいしかない。報道でも6日間で46箱しか出ていない。
その割りに買受人は40人ぐらい来ているから、せりは5分で終わった。しかもアンコウ(競師=魚のアンコウのように大きな口で競り値をいうからだと競師に聞いた)昨年は競り台に出たトロ箱をアユを見て、「はい3000円」というところから始まって、「2500円」「2600円」と競り上がり、コレで大方落とせた。
今年は様子が変である。「ハイ!いくら」から始まり、「4000円」「4500円」「5000円」と跳ね上がるからとても手が出ない。ただ傍観しているだけだった。
20日再度出掛けた。異変が起きた。買受人が減ったのである。あまりの値の高さに嫌気をさしたんだろうか、20人ぐらいしかいない。トロ箱は20箱ぐらい出ていた。ヒョットして落とせるのではないかという気にさせてくれた。
アンコウが「ハイ!4000円」と高値を言うとだれも手を出さない状態が続いた。値が下がってきた。私はちょうど息子が帰ってきているので、小ぶりなヤツで甘露煮でも食べさせてやろうと思っていた。30匹ぐらい入っているのが競り台に登った。
すかさず「2500円」というと、そく落とせた。
ここのアユは、木曽川で獲れたアユを、渥美半島の田原町の畜産養魚場で4~5cmまで育てたものを、放流したり、この木曽川漁業組合で成魚になるまで、木曽川の伏流水で育てる。
だから別にアユのセリに参加しなくても、買いに行くだけで手に入る。ここの養殖アユで十分である。ちなみに値段を確認すると、
- 冷凍 1kg10尾 1800円 5kg 売り 冷凍は水に40分浸しておくと解凍できる。
- 冷凍 1kg 18尾 1800円 5kg 売り
- 生 1kg 18尾 2800円 1kg 売り 養殖場の水槽で泳いでいるヤツ。
コレで十分である。ほとんど天然に近いからだ。以前河川敷でバーベキューをしたときに、ここで生きたのをビニール袋に酸素を入れて5kg90尾、9000円で買い付けて塩焼きをやった。これはよかった。
その当時、この近くのヤナが、ここへ買い付けにやって来ていたのを目撃した。ヤナはこういうところでアユを仕入れているのだ。そんなにヤナに落ちるアユばかりでは、客はさばけないと思うよ。
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