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2011年11月19日 (土)

頭髪比べ

朝の寒いこと。特に思わない事態で刈り取られた頭髪は3mmである。頭寒足熱というから少しぐらい冷えても我慢すればいいのに。

ラジオ体操に出かけるときに、毛糸の帽子をかぶった。グランドに行くと、朝の仲間が「チョット、まだ早いのと違うんかい」という。

「なにが?」

「毛糸の帽子だよ」

いやはや、寒いこと。そこで初めて衆目の面前に頭をさらした。

「あはははは~っ。見事な頭になったなァ」という。「寒いこと寒いこと」というと、「わしの頭を見てみろ!」と帽子を取った。そうしたらあまり見てないハゲが出てきた。この人は前面後退型であった。なんとその隣にいたのが、「わしもそうじゃという」といって帽子を取った。この人はもうすぐ後頭部に進んでいた。

グランドを歩いている人を捕まえて、こいつもそうだと帽子を取らせた。カッパ禿が進んで、前面の土手を崩し始めている。そこへキツネ禿が寄ってきた。今はどんどん頂上へ進行中であるいいよォ、皆さんは天然禿だから、転変地変に慣れている。だが私は人工的に刈り取られた頭だから、まだ慣れていないから。

みんな大笑いして別れた。

いろんな禿と出会い、禿増し会ってきた。(アハッ、失礼。励ましあってきたのだ)

いろんな頭を見て、朝食後マウンテンバイクで出かけた。昼に久しぶりに行きつけのラーメン屋に入る。最近よく休むので、以前話を聞くと、肺がんが見つかり、時々一週間ほど休んで抗がん剤の投与のために入院しているという。

久しぶりに前を通ったら、店が開いていたので、ラーメンを食べに寄った。今まで頭にスカーフをかぶっていた。たぶん、抗がん剤の後遺症で、毛が抜けてきたんだろうと思っていた。今日店に入ると、頭にはきちんと毛が生えていた。

「もう入院はなくなり、2か月に一度、検査に行くだけでよくなった」と、嬉しそうにいった。頭の話をすると、投薬が済んだら、急に毛が生えかけた。しかも黒々とした毛が生えてきたので喜んだ。毛が抜けるときは、頭髪から眉毛、鼻毛なども抜けたという。「など、というとほかもか?」と聞くと、「上から下までだ」という。「奥さんもいいモノみさっせてもらったねッ」と笑った。いまは黒々とした髪は元のごま塩に戻ってしまったという。恐ろしや抗がん剤!

初めて入院したと聞いた時に、私の書いたエッセイ集『鈍足ランナーの独りしゃべり』を、退屈しのぎに贈呈した。それ以来余計に親交が深まった。

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