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2012年1月30日 (月)

粥よ~♪

粥(かゆ)の本字は「鬻」である。これを「れい」といい、かゆまで煮ることをいう。「鬻」を漢和辞典を調べると、

●売春。売る。嫁にやる。やしなう。そだてる。

とある。この粥を頭に使った熟語には、あまりいい言葉がない。

  • 粥技 金をとって技術を売る。
  • 粥獄 金をとって裁判を手加減する。
  • 粥爵 朝廷が金をとって爵位を売る。
  • 粥文 文章を売る。文章も書けない芸能人の裏でせっせと書いているライターに似ている。ゴーストライターがそうだ。

ところが、この反対に、○○粥という熟語がたくさんある。

ここでは説明いたしませんが、羅列します。

あか粥・朝粥・小豆粥・霰が湯・粟粥・芋粥・入れ茶粥・温糟(うんぞう)粥・追出し粥・尾花粥・固粥・管粥・五分粥・衣粥・桜粥・地黄粥・七分粥・霜月粥・十五日粥・十八日粥・白粥・汁粥・啜り粥・大師粥・茶粥・冬至粥・栃粥・長彦粥・菜粥・七種(ななくさ)粥・七彦粥・奈良茶粥・乳の粥・豆粥・味噌粥・望(もち)粥・屋移り粥・家渡り粥・蝋八粥・渡り粥・割粥など。

気になる方、広辞苑で調べてみて。

私が1月9日に十二指腸潰瘍で緊急入院して、やっと重湯にたどり着いたのが17日である。その7日間は絶食で、点滴だけで生き延びていた。重湯というが、工作で使うノリが文具店で売っている。重湯はまるでそれで、止めどもなく練り込んだ米の欠けらすら発見できない。それが100gで、その脇役に、リンゴジュース200mlと乳酸飲料。これが朝昼晩と三食でた。

100gは一口である。それを食べるのに30分かけなさい、という指導である。一口で飲み込むと胃がびっくりするからだ。

2007年5月と8月に、頸椎と脊椎の手術で2度入院した岐阜大学で、粥やご飯の供にこんな裏技を覚えた。それは永谷園の「大人のふりかけ」である。一袋の中には、小袋が20袋入っており、味は5種類ある優れものだ。小袋がちょうど茶わん一杯分ある。そのほかに、梅肉を練り込んだブンセンの「ねり梅」と、桃屋の江戸むらさき「ごはんですよ!」である。だから最初から、重湯ではなく、おじや(雑炊)風味となっていた。過去の経験のたまものだ。だから重湯もおいしくいただいた。

でも、退院してからもくせになってしまった。なにかかけないと食べられない。卵かけ、納豆かけ、煮物の煮汁掛け、みそ汁掛け。暑いときは、牛乳掛け、奴豆腐掛け、時にはバター掛けというかまぶすなどである。

翌日から、3粥300g、五分粥300g、七分粥300g、全粥300gと進化していき、米粒がそれらしくなってきた。それに副食も4~7品つくようになった。ここまでくるのに、12日間かかった。翌日は米かと思いきや、軟飯230gと目方が減ってしまった。一宮市は財政が苦しいからかと腹が立ってきた。

こうしてみれば重湯が一番手間がかかっているんだと知った。

翌日いよいよ米飯230gである。米に手を合わせて、「会いたかったぜ」とつぶやいた。副食には、凍り豆腐の含め煮・カリフラワーのおかか和え・味噌汁・たい味噌・牛乳200ml・マクトンプチゼリーがご飯を囲っている。

粥からいきなりご飯とはいかなかった。でもご飯をゆっくりかみしめると、あごがくたびれてきた。どんなご飯でも30分かけなさいと教えられた。そうすると味が出てきた。

※教訓 節約するということは、少量でも満腹感が得られる。

ありがたやァ。どこかの禅道場に入った気分である。

そして24日の昼すぎに退院した。いまもゆっくり食べるから、家内から食欲ないのと聞かれるが、ゆっくり咀嚼する習慣が付いただけだ。

そうだ!今思い出した。吉幾三にこの「粥」という言葉を送って、歌を作ってもらうのはどうか。酒の付く単語を羅列して歌っているから、粥もいけるんでないか?

♪心には幾つかの傷がある ひとり酒 手酌酒・・・・・・♪

この酒のところを粥にしたらどうかと思ったが、どう?

ひとり粥 手酌粥 演歌を聞きながら♪

そう言えば、この病院の朝昼晩の食料をどう調理しているんだろう。全部ここで作っているんだろうか気になる。そこで調査すると、日清医療食品(株)というところから仕入れている。ここは日本の病院食の30%を受けているという。この尾張では日進市でまとめて生産され、冷凍(2~0度)して病院に配達されるのが2~3日前、それを温めて配膳される。

退院少し前に、隣のカーテンからこんな会話が聞こえてきた。「冷凍するとどうしても味が落ちる」という。何のことか聞き耳を立てると、どうも食堂関係者の病院食に精通した内部の会話らしいことが分かった。でも患者にしてみれば、冷凍前の味を知らないからまだいが。あまり聞きたくない話だった。いやッ、ヒョットして、来年度の入札に絡んでの競争相手がダミーの患者を送り込んでの、下見かもしれない。

そうだわなァ、相当の人数になるからなァ。症状に応じての配膳しなければならないからら。これで納得した。退院の昼飯の配膳に、お礼の言葉をメモして返した。入院中の唯一の楽しみだったからな。ごちそうさん。

できるならば、給食会社から「退院おめでとう」とか「お体を大切に」とか。「また会いましょう」とか「またのおいでを待ちしてます」とは言えないもんね。中には、これ以上の入院は無理という人もいるから、こんなメッセージは、無理かもね。

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