コショウ汁って?
椎名誠著『からいはうまい』にこんな話が出てくる。コショウスープである。
―――ボリビアではこのスープがよく飲まれるという。冷えた体をたどり着いた我々にアツアツのスープを用意しくれたのが嬉しかった。大喜びで最初の一口を、大ぶりなスプーンで飲み込んだ時の味はすごかった。思わずのけぞるような凶悪な味といってもいい。同じように飲み始めた仲間の数人が「おおう!」とか「うひゃあっ」という声を上げた。
「このスープは一体なんだ?」
「なんというひどい味なんだ!この辛さはなんだ?」
ボリビア人はすました顔で「コショウスープである」と答えた.
コショウの味だったのだ。
聞くと、そこに溶かれたコショウの量は並大抵ではない。日本のレベルでいうとあの卓上小瓶ぐらいの量をそっくり全部4,5人用のスープに入れたらしい。こんな強烈なコショウスープは初めてだし、人間が飲めるようなものではない。―――
ところが椎名さん、この尾張地方にも、これと同じコショウ汁(スープ)があるということをご存知ない。だが話だけで実態はよく分からない。愛知県の南西部、海部郡から木曽川を挟んで三重県の員弁地方に掛けて存在しているらしい。
そこで、まずいい加減であるが、聞いた話をまず書く。どこで聞いたかは覚えていない。待てよ我がパソコンにはいろんな話をメモとして記録してある。だがしかし、調べても出てこない。仕方がないので、Googleで調べたら、きちんと出てきた。三重県長島町のホームページにはその料理法もきちんと出てくる。それは葬式の料理で、組の人が準備して出すらしい。
おそらく涙がいや応なしに出てくると思うよ。涙汁というらしい。
そう思って今日の味噌汁にドバっと振り込んだ。通常私の場合は、一味唐辛子で、これを5振りぐらい入れる。このコショウをいつもの感覚で5振り振り込みをする。……@*グハッ**!ガライ。
この地方では、瓶ごと入れるという。……言っておくけど、瓶は入れないよ。分かっているかい、そうかそうか分かっていればいい。何人分でどれぐらい入れるかは不明。もし偶然にこのブログを読んでいらした尾張西部地方の方々にご質問します。いったいどれほど入れるのか、お聞きしたい。
私の体験では、トウガラシとコショウは辛さでどう違うのか。吟味するが説明にし ようがない。タシナイ味覚感覚でこの辛さの違いを分析すると、単なる穴の数の問題で、一味は一個の穴。コショウは……ハッハッハクショ~ン!グシュ。あっ失礼。穴の数は?いかんハクションしたら忘れた。もう一度、今度は息をつめて、1.2.……5個でした。
でも、この穴の数の違いだけではない、辛さが違う。トウガラシは瞬間的だが、コショウには持続性があるような気がするし、その持続性の分、腹の中まで辛い。
最後に、漢字の「辛い」という字は、幸せという「幸」と、七画の「辛」と8画の「幸」は、第一画目の横棒があるかどうかで、幸せか辛いかという処遇がが変わるのか。たった一本で人生の岐路の立たされているのが、「辛」と「幸」である。気の毒に。
コショウ汁の感想を募集しています。いま私は十二指腸潰瘍後で、辛い物とアルコールは禁止になっている。だからココイチ激辛カレー「第6辛」体験者としては、ただいまコショウ汁を挑戦できない身の上なんです。足かあらず。さて医者の居ないうちに、一杯飲んで寝よっと。
思い出した!トウガラシは明日の朝のウンコまで辛かった。
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コメント
尾張西部の者です。
先日、義母にコショウ汁のレシピを教わったところです。
教わったのは、ダシたっぷりで醤油少なめのすまし汁に油揚げ、豆腐、ネギを入れ
火を切る直前に3〜4振りくらいコショウを入れたものでした。
あとはお好みでコショウを足すといった感じですが、足さなくても充分効いてます…
ただ個人的にはとても美味しかったです!
家庭によると思いますが、簡単で美味しいという理由で義母は日常的に作るみたいですよ。
投稿: おたま | 2014年12月 8日 (月) 19時05分