古希の祝い
アノナァ、コキッテイウノハナァ、……いかん、興奮してしゃべる言葉がカタカナになってしまったがやァ。
長い間育ててきて33年、今日になってガッカリしたぜェ。古希というのはなァ、数え年でいうんだぞ。だからワシは昨年寂しい古希を自分一人で、居酒屋で酒飲んでいた。このバカ息子はいま関東の方にいる。だからついうっかりということもあるだろう。だが誕生日にはいつもメールが来るではないか。
数え年というのは、コンピューターの時代でも堂々と国際的に生きている。西暦2000年問題を忘れたか。これは数え年で西暦を勘定しているからだぞ。生まれてすぐに1歳と勘定する。生まれて最初の1月1日が来た時が1歳、以降1月1日が来るたびに加算される。西暦と決めたのはいつからかは知らんが。
だから私は昨年に古希なんだ。手遅れだ……と言いかけたがやめた。チョット脇道にそれるよ。
気になることがある。世界中が満年齢だろうか。ウィキペディアでは、
―――日本・中国・朝鮮半島・ベトナムの東アジア諸国では古くから満年齢は使われず、数え年が使われてきた。しかし多くの国では満年齢に切り替わり現在は韓国のみで、公的及び民間で広く使われている。日本や中国では公的に廃止されてもしばらくは民間で数え年が使われていたが、日本では第二次世界大戦後、北朝鮮では独立後にほとんど使われなくなった。ベトナムでは植民地時代の間に使われなくなった。中国では文化大革命後、公的な場所や企業等での使用が見られなくなったものの、都市を離れた農村部では自分の年齢を数え年で数える人は今でも存在する。―――
やっとすっきりしたので話を戻す。実は古希の祝いに何か買ってやるという。しかも限定金額は7万円までという。チョット待てよ、家内の3年前の何でもない誕生日祝いに40万をするマッサージ器を買っている。それもとてつもなく大きくて重くって、玄関から入らないので、裏口まで重たい物を運び込んだ。サイズも分からんで、インターネットで買ってくるなッ!
聞け!世の中のお父さんたちよ。この年になってもまだ父と母との差別が残っている。田嶋陽子さんが「婦は蔑称で、女が箒を持っている姿をいう」と叫んでいたが、こっちの方にも力を注いでもらえんかね?男が「田」んぼで「力」出しているのに、この蔑視はなんだ?
古希のいわれの通り、ワタシャね、酒飲みでねェ、こんな奴は古希まで生きた例がないというのが、古希のいわれなんだぜ。やっと古希まで漕ぎ着けたのに。
でもうれしい。金でくれとは言えないので、今考えているが、なかなか思い浮かばない。何不自由のない生活をしているわけではないが、忍耐と耐乏生活に慣れているから金の使い道を知らないだけだ。パソコン関係は直ぐにグレードが上がってしまうし、機能が上がっても使う方のワシの機能が薄れてきて、ついていけない。
そうだ、家内が買ってもらったマッサージ器では、アンチエイジングという若返りを目指しているならば、安楽椅子を所望しよう。私はよく本を読みながら、安物のリクライニングチェアーでうたた寝をしてしまう。ワシはアンチアンチエイジング(歳に逆らわない自然のままに)をモットーにしている。寝たままあの世に行ければこんな幸せなことはない。そうだ、古希の祝いは安楽椅子にしよう。
できれば、出世しなかったので、重役の座るようなやつのしよう。このままあの世に行ってもいいようなやつ。その値段4万円。これならば家内の10分の1で済む。(ナサケナイ)
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