人体遺跡の年代別区分
大げさだが、我々人体の遺跡を訪ねてみようと思い立った。私は以前から、科学雑誌『ニュートン』が好きで10年以上継続して購入していた。それがいまだに捨てられず本箱を占拠している。そればかりか、トイレの本棚にも並んでいる。
これがちょうどいい時間つぶしになる。しかもこの本は絵本といった方がよく、眺めているだけで時間がつぶせる。トイレという虚脱と放心、安心を得るに、これほど気が休まるところはない。この気の休まる場所にはうってつけの科学雑誌だ。
先日手の届くところの一冊を引き出して、座り込んだ。2005年11月号・「人体に隠された進化史」とある。読み進んでいくうちに、時間が経つのを忘れる。外で誰かが叫んでいる。寝ようが倒れようが、チビロウが漏らそうが我感ぜずの、没頭状態になる。
まず体の外側から検証を始める。
- 母指対向性の指・親指がほかの指と向き合う。人の手の器用さにつながった。霊長類以降:7000万年前
- 直立に適した骨盤。人類以降:約700万年前
- 内側に傾いた大腿骨。人類以降:約700万年前
- 手足。両生類以降:約3,6億年前
- 土踏まず。人類以降:700万年前
最近私は、腰が曲がってきたか、原始帰りを起している。激しい運動をするときはコルセットを使い、やっと直立歩行ができる。足の裏の土踏まずは平均より高い。普通の人が約1cmのところ、私は右で1.9cm、左で1.7cmもあるので、足底筋に炎症を起こす。だから中敷きを市販の物で工夫してアーチをサポートしている。土踏まずは高度な人間だけの物。ということは、ワシは相当に高度なのか、わが頭を振ってみるが音がしない。空か?でも土踏まずの高い人は、足が速いという通説は当たらない。信じていいョ。このワシが証明するから。
内臓関係で上から検証します。
- 脳。無顎類以降:約5億年前
- 頭蓋。無顎類以降:約5億年前
- 眼。無顎類以降:約5億年前
- 内耳。両生類以降:約3,6億年前
- 三つの耳小骨。哺乳類以降:約2億年前
- 鼻涙管・眼と鼻をつなぐ管。余分な涙がこの管を通って鼻腔に流れ込む。両性類以降:約3,6億年前
- ダーウィン結節。哺乳類の耳のとがった先端が折りたたまれてできたとされる耳介の内側の出っ張り。個人差がある。真猿類以降:約3000万年前(そっと耳を確認する)
- 臭覚機能としての鼻。無顎類以降:約5億年前(私はこの機能が発育不良なのォ)
- 高い外鼻・鼻の出っ張り。ホモ類以降:約250万年前?(ホモといっても、オネー系でなくて、人類=homoのこと)
- 歯。軟骨魚類以降:約4億年前
- 赤唇縁・外に露出した赤い唇。人類以降:約700万年~20万年前
- 顎。軟骨魚類以降:約4億年前
- おとがい。下あごの出っ張り。人の特有の性質:約20万年前
- 肺。肉鰭類以降:約3.7億年前(鰭=ひれ。にくき類)
- 心臓。無顎類以降:約5億年前
- 乳頭。有袋類・胎盤類以降:約1億年前
- 乳房。人類以降:約700万年~20万年前?
- 横隔膜。哺乳類以降:約2億年前
- 肝臓。無顎類以降:約5億年前(そうか、貴方はずいぶん前から頑張っていたんだねェ、大事にしなくては。今までずいぶん苦労を掛けたからなァ、これから大事にするよ)
- 胃。軟骨魚類以降:約4億年前
- 腸。脊椎動物以前:5億年以上前
- すい臓。無顎類以降:約5億年前
- 卵巣。脊椎動物以前:5億年以上前
- 単一子宮。霊長類以前は二又に分かれていた。霊長類以降:約7000万年前
いかかですか?と聞かれても、返答がしようもない。自分の体は生年月日通りの歴史しかない。言われんでも分かっているが、同じ同類項、親父の親父とドンドンを辿って行くと、ここまでたどり着くのか。
トイレの外で騒いでいる。「なに?子供がチビッタって」「だから爺ちゃんの入る前に行けと言ったでしょう」と、あらぬことで孫が叱られている。孫は、「ぼく無実です」とつぶやく。
そう言えば、口と肛門が書いていない。考えれば、口と肛門は一番古いと思うよ。生物の生きる根源だもんなァ。
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