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2012年10月30日 (火)

旅日記・十勝平野は黒かった

22日新千歳空港から十勝川温泉に行くときは、もう辺りは真っ暗だった。曇っていたので日暮れが早く感じた。名古屋との日の入り時間は27分違うだけなのに。ガイドが1時間違うというがそれは違うと思うがそれほど暗く感じた。

出発して十勝平野をどんどん走ると、当たりは真黒な畑が続く。アレ?これって火山灰で出来た黒ボクではないかと、ガイドに聞くと知らないという。調べると、およそ4万年前に支笏火山(今の支笏湖)が大爆発をして、この地方に火山灰を降らせた。それが今の十勝平野だ。

こういう地形は、この岐阜県各務ヶ原にも残っている。御岳が2万年に4回大爆発している。そのときの火山灰でこの各務ヶ原に降り積もった。江戸時代中期の貝原益軒が各務ヶ原を旅した時に、『木曽路之記』ではこう書いている。

――「鵜沼の西のはずれより広き野あり各務野という(中略)広さ三里四方という、但し、東西三里ばかり南北一里半径に見ゆるこの野に田畑なし、唯青草のみ生ず、野の南に三井山という山あり、この山の南の木曽川のきわまでのあり」――と記されている。

それほどこの火山灰で出来た黒い台地(黒ボク)は栄養分が足りなくて、青草が生えるだけだった。明治、大正に入りやっと作物ができるように。この十勝平野でも、相当の土地改良がされて、長芋やピートができるようになった。ピートとはサトウキビに次いで砂糖の原料で、全世界の砂糖の生産量35%を占めているとは知らなかった。そういえば、行き交うトラックの荷台には、このピートが山積みになっているし、畑は遠目に見て白い大根の山に見えるのが、出荷待ちのピートである。

移動中にバスの中から「鹿だ~っ」と叫ぶ声がした。左を見ると2匹いた。毛が短くニホンジカのように見えた。その先の車道にキツネがいた。自然が生きているのだ。おそらく観光客からエサをもらって味を知ったんだろうが、いずれ車の犠牲になる。エサはやらない方がいいのに。

2 層雲峡(写真左)に入ると、見事な渓谷が目に飛び込んでくる。この渓谷も大雪山が大爆発して150~200mの堆積物の覆われた。これが長年かかって浸食され、今の渓谷になった。

なるほど、ここには多くの温泉があるのは、地下がまだ息づいている証拠なんだ。温泉の数を調べると、

  • 道南 16カ所
  • 道央 132カ所……特に小樽界わいには45か所と集中している。
  • 道東 27カ所
  • 道北 43カ所

北海道は平穏な大地を想像していたが、大地には火山があり、その近くには温泉があり渓谷がいたる所にあり、何万年前の火山灰の大地が広がる活動的な、しかもデカイところだとつくづく思った。なんといっても、4日間で756km走った貧乏人のツアー旅行であったからよく分かった。

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