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2013年5月15日 (水)

砂糖の木

戦後間もないころ、夏になると、親戚からスイカやウリや砂糖の木をもらった。スイカやウリは
風呂桶に水を張り冷やして食べた。丸い飯台の足を畳んで食べた。砂糖の木というのは、サトウキビのことPhotoで、一節ごとに切り分けて姉弟で食べた。戦後甘さに飢えていて、砂糖の木の芯がカスカスになるまで噛みこんだ。

この皮を剥くときによく唇を切った。学校の校庭に小山があった。そこに笹に似たチガヤという植物が生えていた。この根っこを掘り出してかじった。これがとても甘くてねェ。

この植物はサトウキビとも近縁で、植物体に糖分を蓄える性質がある。外に顔を出す前の若い穂は白く、噛むと甘く、子供がおやつ代わりに噛んでいた。地下茎の新芽も食用となったことがある。万葉集にも穂を噛む記述がある。

茎葉は乾燥させて屋根を葺くのに使い、また成熟した穂を火口(ほくち)に使った。乾燥した茎葉を梱包材とした例もある。また、花穂を乾燥させたものは強壮剤、根茎は茅根(ぼうこん)と呼ばれて利尿剤にも使われる。

砂糖の日本国内消費・生産は、1995–2004年度の10年間平均値(1995年10月–2005年9月)では、国内総需要は年230万トン(国産36%:輸入64%)、国産量は年83万トン(テンサイ約80%:サトウキビ約20%)である。年毎の動向を見ると、総消費量は、1985年にはひとりあたり21.9kgだったものが、2010年には16.4kgと大きく減少してきたが、ここ数年は下げ止まっている状態である。

サトウキビよりテンサイの方が原料としては多いことを初めて知った。昨年北海道に行った時トラックに満載した大根のようなテンサイを見た。何か分からずガイドさんに聞くと、これがテンサイだった。

南北に長い日本列島はサトウキビの栽培に適した亜熱帯とテンサイ(ビート)栽培に適した冷帯の両方が存在する。国産量は微増傾向にあるが、それは主にテンサイ糖の増加によるもので、サトウキビ糖は微減傾向にある。 サトウキビの主たる生産地は沖縄県や鹿児島県で、戦前は台湾で砂糖が大量に生産されていた。テンサイの生産地は主に北海道である。

日本の輸入はタイが約4割、オーストラリアが約4割、南アフリカが約1割をそれぞれ占め、この3カ国で9割以上の輸入をまかなっている。

あの頃はなんでもうまかった。

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