ヨーグルトの真実
こんな記事を見た。
―― 朝日新聞2007年8月4日付け土曜日版の「be report」によると、腸内細菌の権威、光岡智足・東大名誉教授は「乳酸菌は、たとえ腸に届く前に胃酸で死んだとしても、その菌体成分が小腸の免疫機能を活性化する。最近は、花粉症などのアレルギーや、かぜを予防する効果も報告されている。死菌でも効果があることをメーカーはあまり言いたがらないようだが」と語っている。
また、腸内環境改善を目的とした健康食品の開発に携わっている岡田恭一氏は、次のように説明する。
「乳酸菌は体外から摂取した場合、いくら胃酸で死滅せずに腸まで生きて届いたとしても、腸まで届いたあとには死滅して排出されます。体外から入った菌は、人間の腸管内には定着できないのです」――
ところが「死菌でも効果があることをメーカーはあまり言いたがらないようだ」と言っている。しかしM菓子メーカーが、このヨーグルト菌をカプセルに入れて腸に直接送り込むから効果がある。胃で99%ヨーグルト菌は死滅すると盛んに宣伝しているが、死んでも効果があるではないか。
ウィキペディアによると、――ヨーグルト、ジュースなどの加工食品も「明らかに食品」ではない(よって事実であっても、医薬品的な効能効果は標ぼうできない)と解釈されていることに対し、食品会社からの反対意見も強い。――と争っている。
こういうことって規制できないのかね。特保関係でも、何の効果もないグルコサミン・ヒアルロンサン・コラーゲンなんかは、飲めばただのたんぱく質。アミノ酸までに分解されたものが特定部位に効果があるとか考えられない。
例えば、馬の足を食べたら。足が早くなると同じ理屈だという
気になる方は、ウィキペディアの『薬事法と食品表示・食品広告』をご覧ください。
我が家は妹からもらったカスピ海ヨーグルト菌を10年以上大事に育てて自家生産している。ついでに長くなるが、明治乳業の『明治健康ファミリー』雑誌から転載します。
―― ヨーグルト7000年の歴史 明治乳業『明治健康ファミリー』2012年3月号より
日本では1300年ほど前に始まる奈良時代に、ごく一部の上流階級にですが、「酪」という名で食されていたとのこと。乳の発酵による自然食品ならではの話です。
しかし武士の時代には肉、乳の飲食は禁じられ、当然ヨーグルトは姿を消します。ふたたび現れたのは明治時代中ごろです。その後徐々に生産量も増えましたが、健康食品として認知され普及したのは戦後の1950年代から。ただし、甘味料と香料を加え、寒天やゼラチンで固めたのが主流で、無添加のプレーンヨーグルトの登場は、「明治ブルガリアヨーグルト」の前身である「明治ブレーンヨーグルト」が発売された1971年からです。
世界の伝統的なヨーグルト
l スカンジナビア地方(ノルウェー・スウェーデン) テッテルメルク、ラングルフィル、ピトカピーマクレモリス菌という乳酸菌の働きによる強い粘り気を持った伝統的な発酵乳
l 東欧(ブルガリア)キセロ・ムリャコ:洋乳、牛乳、水牛乳をブルガリア菌とサーモフィルス菌で発酵させるヨーグルト。ブルガリアンミルク:ブルガリア菌を用いる酸味の強い発酵乳
l 中近東ラパン:糖分を多く含む洋乳や水牛乳からつくられるヨーグルト
l ロシアおよび周辺ケフィール:乳酸菌以外に酵母を含むケフィール粒を用いる発酵乳
l アジア地方ダヒ:インドやインド周辺で古くから作られている、ヨーグルトに似た発酵乳
l 日本奈良時代に珍重されていたヨーグルトに似た乳製品――
これで安心してヨーグルトが飲める。
一つ気になるには、乳酸菌とビフィズス菌・ヨーグルトは違うのかということだ。少し調べてみるとこんなホームページを見つけた 。
――乳酸菌もビフィズス菌も、腸内に存在している善玉菌の一種です。このように併記すると、乳酸菌とビフィズス菌は別の細菌のようですが、実はビフィズス菌も乳酸菌。乳酸菌は、腸内でよい働きをする細菌をすべて善玉菌と呼ぶのと同じく、便宜上の呼び名です。
乳酸菌は乳酸を生み出す細菌の中で、体によい働きをする菌に対する名称で、生物学上の分類には属しません。正式な菌属の名称は、ラクトバチルス、ラクトコッカス、エンテロコッカスなどです。一方、ビフィズス菌は乳酸と酢酸を産生する細菌で、生物学上の分類ではビフィドバクテリウムに属すものを指します。 ――
ということです。だからM製菓が言っている胃で死滅するから役に立たないというふれこみは間違いだ。
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