キンピラって
久しぶりに我が家の食卓にキンピラがでてきた。チンピラでないよ。ではなぜキンピラなのか。
――江戸時代の明暦期に、金平物というあたり狂言があった。坂田金時の子だという金平という架空のヒーローが大活躍する武勇伝である。強くて少し乱暴で正義の味方というのが金平なのだ。このヒーローの名から金平という料理が生まれている。
その硬さを生かして、油でいため煮にしてボリューム感もあり、パキパキと力強く食べる野生児っぽい料理なんです。――
ここでは材料に関しての記述がない。
我が家のは、ゴボウにニンジンである。マッチ棒ぐらいに切り、これを油で炒める。これだけ。だいとも簡単にできる。ほかの料理人はどう作っているのか調べると、ゴボウとニンジンは同じで、ほかにシイタケ、コンニャク、牛肉、ゴマ、などが入っているではないか。待てよ、まだある、大根の皮、トウガラシ、レンコンまで入ってるではないか。
ということは、相当に手を抜いていることになれせんか?ウン。
まだまだお立会い、意外なものまでキンピラになっている。
ゴボウ・ニンジンはいつもの常連。今日は意外にヤツを連れ立ってきた。
レンコンにゆでたタケノコ、サヤインゲン、油揚げである。
オ~イ、ワシも入れてまえんかねェ、と汗をかいてきたのは、赤トンである。そうです赤唐辛子である。激辛好きなワシには欠かせない。
ついでにニンニクなんか投入できないかねェ。切干大根で少し芯が残っているのもいいがやァ。
これの切り方を、千切りとか千六本という。この語源は、
――一般的には細長く切った食材や切り方をまとめて繊切りの語を用いることが多いが、細長く切った食材の太さや大きさにより複数の呼称があり、桂剥きを用いて可能な限り薄く剥いたものを折りたたみ、一辺の幅又は厚みを1mm程度以下に切り揃えたものを特に繊切りと呼び、他の呼称と使い分けることがある。
繊維方向に細く切ったものを縦けん、繊維方向に対して直角に切ったものを横けんという。繊切りしたものは長い繊維が残るために刺身のツマとして用いる際にシャキっと立てて盛り付けることができる。――
千切りとは、繊切りからきているのだ。
キンピラは多少跳ねっ返りのような、要するにチンピラのような奴が、歯ごたえがあるからいい。
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