香疾大根(かばやきだいこん)とは
妹尾河童『河童のタクアンかじり歩き』と読んでいて気になったことメモしておいた。
わが国の漬物の記録には、八世紀の天平年間に現れ、製造法を総合的にまとめて書かれたものとしては、『延喜式(えんぎしき)』があり、詳しく記述されています。
「大根漬け」が文献に現れるのは、平安中期以降で、鳥羽天皇のころ。藤原明衡(ふじわらあきひら)日記に『香疾大根(かばやきだいこん)』というのがでてきます。味噌漬けと粕漬けの中間のようで、現在も、この作り方は一部で受け継がれています。大根が味噌に漬けられて、カバの木肌に似たことから、カバヤキといわれたのだという。
大根漬けを香の物と、古い資料に『大根にて口中の臭気を消す。臭いをとる故に『香の物と呼ぶ』と記載されている。香の物とは味噌漬けをさし、味噌を香といい、味噌漬けをもって、香の物もある。
先日ブラジルに在住している姪っ子にタクアンをどう漬けているかと聞いたら、味噌漬けにすると言っていた。そうすればブラジルのタクアンは「カバヤキ=香疾大根(かばやきだいこん)」ということになる。これを教えてやろう。
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