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2015年7月26日 (日)

ウナギ

土用の日丑の日は、日本中がこぞってウナギに群がる。

江戸時代、うなぎ屋がうなぎが売れないで困っていることを、平賀源内に相談しました。

この時の、   
「“本日丑の日”という張り紙を店に貼る」    
という平賀源内の発案が功を奏し、うなぎ屋は大繁盛になったのです。いまだに振り回されている。地中海ではシラスをそのまま煮付けて食べている。ニホンウナギは「絶滅危惧1B類」とされた。だが吉報もある。

――2002年4月に三重県の水産総合研究センター養殖研究所が、ウナギの「完全養殖」に世界で初めて成功した。実験室で人工孵化(ふか)させた仔ウナギを育て上げ、さらに2代目を無事に誕生させたのだ。これをうまく商業化できれば、安定して市場にウナギを供給できるし、この魚の保護にも役立つに違いない。

 期待の完全養殖ウナギは、果たしていつ私たちの口に入るのか。それまでに、あとどれほどのハードルを越えなければならないのか。三重県の南、五ヶ所湾に面した研究所を訪れた。

 実験室に入ると、おなかの大きな雌ウナギが、麻酔をかけられて金属の容器に横たわっていた。養殖研究所の繁殖研究グループ長、田中秀樹が、その雌を持ち上げておなかを押してやると、どろどろと白い卵が流れ出てきた。

 「なかなか良いですね。血が混じっていたりすると、孵化もあまりうまくいきません」

 800グラムだった雌の体重は500グラムに。差分の300グラム、およそ60万個の卵が採取できたことになる。ここに、雄の精子をかけてやると、うまく受精した卵は2日以内に孵化して仔魚になる。人工孵化の完了だ。

 1960年代に始まったウナギ完全養殖への取り組みで、最初の壁がこの人工孵化だった。不思議なことだが、養殖場で育ったウナギはほとんど雌にならず、性成熟もしない。繁殖させようにも、段取りさえ整わないのだ。

 そこで1990年代にかけて国内の大学や水産試験場が開発したのが、ホルモン投与による雌化と性成熟。稚魚の段階からホルモンを餌に混ぜて与え、雌を育てる。さらに成魚になったらまた別のホルモンを投与し、精子が出る状態、卵ができる状態にする。こうしてある程度計画的に仔ウナギをつくれるようになった。――

もう実現可能な時期に来ているんではないか。期待しているでェ、ワシもう73歳になったでなァ、間に合えばいいのだが。

フナでもコイでも刺身が好きだが、なぜウナギに刺身がないのか、気になる。

ウナギの血中に含まれる毒「イクシオトキシン」は、口から入ると中毒症状を引き起こすのだそうです。さらに体表面のヌルヌルの毒は、「イクシオトキシン」よりも毒性が強いことがわかってきたとのこと。ただ、どちらも熱に弱く、十分に加熱すれば毒性がなくなるんだって。だから蒲焼きにして食べられてきたんですね。

毒だとわかっていても、食べてみたいという探究心を抑えられないのが人間なのでしょうか。調べたところ、お刺身として提供されている専門店もあるみたいです。くれぐれも素人の方はマネしないよう、ご注意を!

ところが、全くウナギに無縁なところがある。岐阜県の郡上市美並町粥川地区では土用の丑でもウナギは食べない。いや、1年通して絶対食べない。「住民は古くからウナギは神のお使いとして大切に保護し、現在も食べることはありません」と看板を立てるほどの徹底ぶりだ。

住民も「絶対に食べません。タレも食べません。箸もつけません」「ウナギの味はいっぺんも知らない。全然知らない」と話す。

なぜなのか。1000年以上前にさかのぼる。鬼が村で悪さをしたときに、ウナギが鬼退治の武士を鬼のいる場所に案内して、見事退治につながったという伝説があるからだという。一度瓢ガ岳(ふくべがたけ)1162mに登った時、片知渓谷をさかのぼる。ウナギが案内した川だ。ここが伝説の場所だという看板を見た記憶がある。

この時期一宮のスーパー・アピタでは、土用の丑の日にかけてウナギを焼くプレハブ20077_002が建つ。さばく人、くし刺す人、焼く人が一組になって、10分交代でやっている。一度許可をもらって小屋に入ったら、とても暑くて30秒で出てきた。一日3000本焼くといった。

これはウナギでも食べなきゃやってられんなァ、というと、もう見たくもないという。そうかもしれんな。

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