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2015年12月20日 (日)

松ぼっくりは火付けにいい

妙興寺へ行き、知人のギターの練習を聞いていた。ここは境内の中では唯一広い場所であるが、周りは森に囲まれているために、風が吹き抜けることはない。すこし日が当たるだけで十分に暖かい。しかもここの山門は、普通は真ん中が通路で扉が付いていて、両側は囲いがありその中に阿吽の像などが祭られている。これが普通の造りだが、ここは柱が立っているだけの吹き抜けである。

明治23年の火災と、翌年の24年の濃尾大震災の時に倒壊してしまった。どう見てもこの山門で資金が枯渇したのらしい。もう一つこの山門の、欄間の部分を見上げてよく観察してごらんなさい。両面に彫るのが普通だが、片面もあり、半分ないものもあるからだ。だからこんな寂しい形で残っている。この下が知人のギターの練習場であり、私との会話の場所である。

世間話をしていると、ご婦人がビニール袋に松ぼっくりを、最前からせっせと拾い集めている。ここが境内で一番松が多い場所だ。Photo_2

「松ぼっくりで、何をするんですか?」と聞くと、
「暖炉の火付けに一番いい」という。

ヘッ?暖炉……いまどき家の中に暖炉があるなんて?

「あの~、暖炉って、家の中にあるあの暖炉ですか」と聞き直した。当たり前の話だが、ご婦人にとっては当たり前の暖炉だが、隙間風が抜けるような木造のわが家では想像ができなかったからだ。しかも火付けに松ぼっくりがいいとは初耳であった。

バーベキューでは、ガサゴソ森に入り、松葉とか、ヒノキや杉の枯れ枝をよく使った。どうしてもないときは、新聞紙を捩じりあげて、ガムテープを巻き付ける。このガムテープは火が付きやすいからだ。

火付けにいいのは、先回使った割りばしを干しておく、消し炭、着火剤、携帯のバナー、牛乳パックもいいが、松ぼっくりを一個ずつ新聞紙にくるんで適当に着火すれば火付きがいいという。このほうが「さ~っ、これからバーベキューをするぞッ、とか、暖炉に火を入れるよ、という、音楽でいえばプロローグ、料理でいえば前菜のような役をしている、前触れ的なムードがあるなァ。

一度試してみたいなァ。

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