絵に描いたような出世物語
私の車のセールスをしている時のお客さんの息子さんが、外大でアラビア語専攻した。そうなると就職は当然石油関係になるなァと思っていたら、そのとおり某石油会社に決まった。しばらくは国内勤務が続いたが、アラビア方面に転勤となった。
帰国後、なにを思ったか勤務の合間を縫って、通信教育でアメリカの会計士の資格を取った。これは国内でもなかなか持っている人はいないらしい。この資格取得が発表されると、国内企業の大手から、「ぜひうちに来てくれ」の誘いがワンサと来たという。そこで息子は嫁の、この石油会社の重役をしている親父さんに相談したら、親父さんは社長に相談をかけたという。
これは逸材だから、彼の希望を何でも聞いてやろうということになった。彼の希望は「ハーバード大学で経営学の勉強をしたい」というので、夫婦共々アメリカに渡ることになった。ところが息子さんの母親というのもすごかった。息子がアメリカにいるうちに、訪問したいと、英検の2級を取得して、親夫婦は息子に会いにいったという。で、父親はというと、「ワシは尾張弁しかできんので、家内の後を付いて歩いた」と笑った。
ハ-バードを出ると、彼には副社長の席が設けられていたという。ところがいくらもしないうちに、お客さんが嘆いて言うには、「会社を止めた」という。理由を聞くと、アメリカの公認会計士とか経営学のことを本にして、後進を育てたいという。
今ビジネス関係の会社を起業して、各界の企業セミナーの講師をしていると聞いた。まァ、見事な転身である。もちろん彼自身の努力の賜物であるが。
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